2021/11/24
本日は、東京都文京区にある「東京都立小石川中等教育学校」の高校1年生(4年生)の授業で、当法人の高校向けプログラム「SDGs~社会の課題を学ぶ~」を行いました。
本プログラムは、東京都教育庁地域教育支援部生涯学習課が行う令和3年度「都立高校生の社会的・職業的自立支援教育プログラム事業」の一環として、今回、東京都・都立高校の独自教科である「人間と社会」の授業内で実施しました。
「SDGs~社会の課題を学ぶ~」では、当法人がSDGsに関連する取り組みを行っている企業やNPO・団体様をゲストティーチャーとしてコーディネートし、授業内で実際の事業や取り組みをご紹介いただくとともに、テーマに沿ったグループワーク等を行うものです。生徒のみなさんには、事前にどのテーマの授業を受講したいか選択してご参加を頂いています。
今回の授業は、株式会社日本HP様、公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン様、株式会社フィノバレー様、ケアプロ株式会社様、三ッ輪ホールディングス株式会社様、計5つの企業・団体の皆様にご協力をいただきました。
各授業の様子は、以下のようにご紹介いたします。
三ッ輪ホールディングス株式会社様は、エネルギーをテーマにした授業です。エネルギーやインフラの視点から、地球と日本の地域の規模でどんな問題があるかお話をいただきました。三ッ輪ホールディングス株式会社様では、普段、CO2フリーかつ、社会や地域のために活動を行っている人たちを応援する電気プランを提供されています。
後半のグループワークでは、こういった電気を「誰に」「◯◯な付加価値をつけて」提供すると、より社会に広がるかを考えていきました。「電気自動車を持っている人は電気代が安くなる」「電気代の一部が廃線になる駅に寄付される」など、斬新なアイディアが多く出ていました。
※三ッ輪ホールディングス株式会社について
https://mhdg.co.jp/
(担当スタッフ:横山)
ケアプロ株式会社様は、医療・福祉をテーマにした授業です。健康診断を受けていない人が多い現状や、現在、行っているヘルスケアサービスについてお話をいただきました。質疑応答の時間には、健康チェックやサービスについて多くの質問が出ていました。
後半のグループワークでは、セルフ健康チェックをどこで行うと、より利用が増えるかを考えました。ヘルスケアを行う場所を選挙会場やドライブスルーにするなど、様々なアイデアが出され、生徒たちがそれぞの意見を話している姿がとても印象的でした。
※ケアプロ株式会社について
https://carepro.co.jp/
(担当スタッフ:高田、鈴木)
公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン様は、子どもの貧困・格差をテーマにした授業でした。日本では家庭での学校外教育費の負担が大きく、同じ学校に通っていても格差が生まれてしまうという現状に対する支援事業やスタディークーポンなどについて学びました。
継続的な支援を行っていくためには寄付が必要です。後半のグループワークでは、どんな人に対して、どんな寄付の取り組みがあると良いか、生徒の皆さんとグループワークをしました。「旅行マップを作成して売ったお金を寄付金にする」「決まった食品を買うと、その一部が寄付になる」など、様々なアイディアが出ていました。
※公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンについて
https://cfc.or.jp/
(担当スタッフ:髙橋、島田)
株式会社日本HP様では、気候変動対策をテーマにお話をいただきました。気候変動対策目標を達成する取り組みの一つとして「オーシャンバウンド・プラスチック」について教えていただきました。「オーシャンバウンド・プラスチック」とは海に入る手前で回収されたプラスチックを指します。日本HP様ではそれらを再利用し、新たな製品を作っています。
後半のグループワークでは、生徒に「オーシャンバウンド・プラスチック」がよりわかりやすく伝わるように、ネーミングを考えてもらいました。「野生のプラスチック」というユニークな名前や、ゴールキーパーが止めているようなアイコンなど、高校生ならではの柔軟な発想で多くのアイディアが出ていました。
※株式会社日本HPについて
https://www.hp.com/jp-ja/home.html
(担当スタッフ:山田)
株式会社フィノバレー様は、技術革新(フィンテック)をテーマに、お金の仕組みや、デジタル地域通貨を用いた課題解決について教えていただきました。生徒からは、消費者目線での鋭い質問も飛び出しました。
後半のグループワークでは、各班でSDGsの17の目標から1つ選び、その課題解決に向けたお金の仕組みを考えました。生徒たちは様々な意見を出しあったり、その場で今、起きていることを調べたりしながら、課題を見つけ、それぞれの班で個性的なアイディアが生まれていました。
※株式会社フィノバレーについて
https://finnovalley.jp/
(担当スタッフ:鈴木)
「SDGs」という言葉を、学んだ知識として知っている生徒は多くいました。しかし、今回の授業やグループワークを通して、学校にいるだけではわからない、実際の体験談、葛藤、喜びなどに触れることができました。特に私が印象的だったのは、SDGsに企業が取り組むのはもちろんだが、その取り組みを知ってもらうことが大切ということです。一般の人たちに分かりやすく広報を行ったりシステムを利用してもらったりすることで、初めて、真の意味でのSustainableな社会を作ることができるのだと改めて自覚しました。生徒にとって今回の授業は一つのきっかけにすぎないかもしれません。ですが、自分たちで感じ、考えたことで、社会や世界に対する視野が広がり、いつか必要になるときの、大切な引き出しの一つになったと思っております。
各授業のご紹介、先生からのご感想については、以上となります。
どの授業もゲストティーチャーの話をじっくり聞き、真剣にグループワークに取り組んでいる姿が印象的でした。授業後に実施したアンケートからも、普段はなかなか知ることができない様々な取り組みや課題について学ぶことができたと大変に好評でした。今回の授業で学んだことが、少しでも生徒の皆さんの学びにつながっていれば幸いです。
・三ッ輪ホールディングス株式会社:東京都の自立支援教育プログラム事業で高校生向けの授業に登壇-エネルギーとSDGs、地球と地域のサステナビリティに関する講義を実施-
・株式会社フィノバレー:フィンテックで全国各地の社会課題を解決するフィノバレー、都立小石川中等教育学校でのSDGs特別授業を実施
・ICT教育ニュース:フィノバレー、都立小石川中等校で実施した「SDGs特別授業」の模様を公表