インタビュー

後藤里奈:先生ではない立場から、子どもの成長に長く関わることができる

2018/05/29

子どもや若者を対象とした社会教育活動に取り組んでいるNPO法人夢職人では、多種多様なバックグラウンドを持った大学生や社会人がボランティアスタッフとして多数在籍し、子ども達の多彩な体験活動を支えています。

ボランティアスタッフの詳細

スタッフは、先生や親とは異なる立場から子ども達と関わり、親しいお兄さん・お姉さんのような存在です。「another story-もう一つの社会との関わり方」では、そんなスタッフたちが活動をはじめた経緯や活動で感じたことなど、普段はあまり語ることなかった物語をお伝えします。

今回は、後藤里奈さん(りな)をインタビューしました。

―では、簡単に自己紹介をお願いします!

後藤里奈といいます。子どもやスタッフからは「りな」と呼ばれています。現在、社会人4年目です。金融関係の仕事をしていましたが、つい最近転職をして、違う仕事に就いています。

―そうなんですね!転職して、今はどのような仕事に就いているのですか?

現在は、高校生対象の予備校で働いています。教育に関する仕事も一度は経験しておきたいと思っていました。あと前の仕事だった、金融関係の勉強も続けていきたいので働きながらキャリアアップをしていこうと考えています。

―とってもいろいろと考えていますね!そんなりなが、夢職人に入会したのはいつ頃ですか?

夢職人には、社会人2年目の6月に入会しました。入社して1年が経った頃、少しずつ「このままでいいのかな」という思いを抱くようになったんです。やりたかった仕事に就いて、やりがいも大きいのですが、休日にも自分が好きなことで打ち込めることが何かあるんじゃないかと思って。それで思い切って、行動をしてみました。

―夢職人のような子ども関係のボランティアを選んだのは、何か理由があったのですか?

大学生の時に、小学生向けの塾でアルバイトをしていたので、「子ども」に関わることが何かしたい、という思いがふと浮かんだんですよね。また、アルバイトと並行してラクロス部にも入っていたのですが、その時に、後輩の育成やサポートをする役職にも就いていました。難しいこともたくさんあったのですが、自分のことだけでなく、後輩が困っていたりうまくいかないときにサポートしていくことに、やりがいをとても感じました。なので「誰かのために何かをしたいな」ということで、ボランティアを選びました。


(学生時代にはラクロス部で熱心に活動していた。休みの日には学生時代の友人とよく出かけている。)

―なるほど。大学生の時の経験が今に活きているということですね。実際に夢職人へ入会をしてみて、どうでしたか?

それはもう「楽しい!」の一言です!体験で参加した活動では、自分も子どもになって無心で一緒に遊びました(笑)塾でアルバイトをしていた時は「先生」と呼ばれていましたが、夢職人では「先生」という立場ではなく、身近なお兄さん、お姉さんとして関わるんです。子どもたちに「りな」と呼ばれることがとても新鮮ですし、その立場から継続的に子どもたちの成長に関わっていけることにとても魅力を感じました。繰り返し参加する中で、自分も子どもたちにとっての信頼できる大人の一人になれたら嬉しいな、という思いを抱くようになりました。

―「先生」ではない立場が、りなにとっては新鮮だったのですね。活動に参加する中で、印象に残っているエピソードは何かありますか?

いろいろあって決めきれないのですが…2つ印象に残っていることがあります。1つは、何回か活動に参加した時に、ある子がふいに「りな、楽しいね!」と話しかけてきたんです。何をするでもなく、本当に何気ないタイミングの時に。びっくりしましたが、とっても気持ちがほっこりしました。子どもたちが「楽しい」と感じる瞬間に、自分が隣にいられることがとっても嬉しくって。

もう1つは、自分の班ではない、隣の班の子どもから「いつもりなの班になれないんだよね」と言われたことです。自分の班になりたいと思ってくれていることはとても嬉しかったのですが、その子が誰なのか、よくわからなかったんです。それが自分としてもとてもショックでした。もっともっと子どもたちのことを知っていきたい、と思った瞬間でした。


(いつも元気いっぱいに子どもたちと向き合い、一人ひとりが楽しめるように気を配りを欠かさない)

―「継続性」「関係性」という部分を大切にしているりなだからこそのエピソードですね。そこまで真剣に考えることのできる原動力って何かあるのですか?

そんな大それたことではないです(笑)自分が楽しくてやっていることが、誰かにとってプラスになればいいな、と思っているだけです。友人に夢職人のことを話すと「すごいね!」とよく言われるのですが、自分ではすごいと思ったことはなくて…。自分と関わった子どもたちやスタッフに、「りなと一緒で楽しかったな」と思ってもらえたら…というシンプルな思いです。

―素敵です。りなは、「企画運営」にも携わっていると思いますが、企画運営に携わることの面白さや学びは何かありますか?

そうですね。夢職人の企画運営は、学生や社会人の枠を超えてチームが編成されることが多いので、いろいろな人と組むことができて、それがまず楽しいです。夢職人にはいろいろなバックグラウンドをもっている人たちが、たくさん在籍しているんですよ。仕事で疲れていても、「みんなに会える!」と思うと、自然と力が湧いてきます(笑)

あとは、「子どもたちのため」という軸のもとに、みんなで真剣に議論をしながら企画を詰めていくのですが、それがとても充実感があります。「前例がない」「昔はこうだった」という意見ではなく、「子どもにとっての最善は何なのか?」という視点で話すことができる。それができる仲間や、企画運営という機会が、自分にとってはとても貴重です。

―「和気あいあい」ではなく「切磋琢磨」という感じですね。その空気感が好きで、夢職人で活動しているスタッフって多いような気がします。りなとしては、今後どのように夢職人に関わっていきたいですか?

まずは、できるだけ長く続けていきたいなと考えています。教員免許を持っていなくても、子どもの成長に関わることができる。それは本当にありがたいことだと感じています。常に真剣、全力な仲間と一緒に、自分も全力で取り組んでいきたいなって思っています。

あとは、今いる夢職人のスタッフだけでなく、新しく参加するスタッフのサポートやフォローにも少しずつ関われたらと考えています。誰かのサポートをすることはわりと好きなので。自分の長所を生かしながら、貢献していけたらなと思っています。

―ありがとうございました!子どもやスタッフの良きロールモデルとなっているりなのお話を聞くことができ、とても貴重な機会となりました。

(インタビュアー ゆっこ)

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保護者の声

親としては子どもが自分の身の回りのことをちゃんとできるか心配しましたが、特に問題もなく本人が楽しく参加できたようなので本当によかったです。
親が離れると不安を感じるタイプだったので、それをクリアさせたいと思い参加しました。最初はかなり緊張した様子でしたが、何回か参加するうちに知っている顔も増え、慣れたようです。
キャンプから帰ってくると、スタッフからキャンプ中の子どもの様子を報告してもらえるのもとても良いと思います。安心して預けています。
キャンプの前に面談があるので、子どものアレルギーのことなどを事前に伝えておくことができたのもよかった。継続して参加していると、昨年できなかったことが今年できるようになったなど成長を感じられます。
スタッフの方から連絡帳で、班長の役目をきちんと務めたことを教えてもらえたのはよかったです。将来大きくなって、今度はスタッフとして関われるようになったら素敵だなと思います。
何度も参加したりして人と人とのつながりができるのが魅力的。何でも不安になりがちな子だったが、一度参加して以来、積極的に次の参加もしたがり、一皮むけた感じがしました。

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