2018/09/21
子どもや若者を対象とした社会教育活動に取り組んでいるNPO法人夢職人では、多種多様なバックグラウンドを持った大学生や社会人がボランティアスタッフとして多数在籍し、子ども達の多彩な体験活動を支えています。
スタッフは、先生や親とは異なる立場から子ども達と関わり、親しいお兄さん・お姉さんのような存在です。「another story-もう一つの社会との関わり方」では、そんなスタッフたちが活動をはじめた経緯や活動で感じたことなど、普段はあまり語ることなかった物語をお伝えします。
今回は、葉栗雄貴さん(はぐりん)をインタビューしました。
―まず初めに自己紹介をお願いします。
葉栗雄貴と言います。夢職人では、はぐりんと呼ばれています。今、社会人4年目で仕事はデザインエンジニアをしています。どんな仕事かと言うとwebサービスのデザインをするために、プログラムを書く仕事をしています。元々は展示会やショールームでデザインをやってたのですが、転職して今の仕事に就いています。
―なんだかカッコいいお仕事ですね!なぜ転職しようと思ったのですか?
他の人に広く影響を与えるが仕事がしたいと思ったからです。前の仕事も好きだったのですが、仕事の中で展示会やショールームの人としか関わることが無く、その場でしか人に影響を与えることができなかったんです。今の仕事はWEBなので、仕事関係の人以外にも見てもらうことができる。自分がやったことに対して、間接的に他の人とのつながりがあるんですね。そんな仕事をしたくて今の仕事を選びました。
―“人に影響を与える仕事”とてもやりがいが大きそうですね。そういえば、はぐりんが夢職人に関わろうと思ったきっかけは何だったのですか?今の仕事と「子ども」はあまり関係がないように思いますが…
自分には兄弟がおらず、一人っ子だった、という所が大きなきっかけではありますかね。一緒に遊んでくれる兄弟がいたらいいな…とずっと憧れていました。家で遊ぶことも多かったので、野外のキャンプなどに参加したかった、色々な人と遊びたかった、という思いが残っていて。そんな時、たまたま夢職人が載っているWEBの記事を見つけまして。普段からWEBの記事を見るのが好きで、ちょくちょく見ていたんですよ。夢職人を設立した代表の記事で、「半兄弟・半姉妹」という考え方にとても共感したんです。夢職人がどんな活動をしているのか気になってホームページを探し、応募しました。
(学生時代からデザインの勉強をしてきた。休みの日は大好きなカメラを手に出かけている。)
―なるほど。はぐりんの子ども時代の経験が大きかったということですね。子どもと関わることに対しては、何か不安はありましたか?
今まで子どもと接することがなかったので、正直、子どもは「不思議な存在」であり、初めは「怖いな」と思っていました。大人と違って何を考えているか分からないし、何しろ子どもと関わった経験がなかったので…しかも自分は人見知りなので(笑)。初めのオリエンテーションに行くのも、怖くてやめようとも思いました。だけど興味はなくならなくて。身近な環境で子どもと関わる機会はなかなかないし、キャンプや外遊びをやってみたい!と思ったので、思いきって参加しました。オリエンテーションでは、夢職人のスタッフがとても好意的で印象が良くて。怖い気持ちはあったけど、やってみないと分からないと思ったので、入会することを決めました。
―はぐりんは人見知りだったのですね(笑)初めて参加した活動のことって覚えていますか?
めちゃくちゃ覚えています!当日の朝はまた怖くなって、行こうかどうしようか…と迷いましたが(笑)確か、多摩動物公園でクイズラリーをするプログラムでした。子ども達が動物園でいろんな所に興味もって見ていて、大人だけで動物園に行く場合と違ってとても面白かったです。子どもって、大人とは違った視点を持っているんだなーって。また、スタッフが子ども達と本気で接していたことが、とても印象に残っています。自分自身も本気で取り組み、終わった後はやり遂げた感がありました。また、子どもって怖くないんだな、とも思いました。
―初めは子どもが怖いと思っていたはぐりんが、現在はかなりの頻度で活動に参加していますよね。どうして毎回活動に参加するようになったのですか?
キャンプに参加したことがきっかけですね。初めて12月のスキーキャンプに参加したのですが、それがとても楽しかったんです。スキーキャンプでは3日間スキーを行うのですが、初日はスキーが上手に出来なくて泣いてしまったり、転んで立ち上がれなくて、悔しそうにしている様子の子が多かったんですね。それが、3日目にはスキーも上手になり、とても良い笑顔で楽しそうに滑っている様子が見ることができて。「スキーキャンプに来てよかった」と滑りながら言ってくれる子どもがたくさんいたんです。キャンプに参加して、じっくり子どもに関わる中で、夢職人は子ども達に成長の場や機会を提供するところなんだなってことがわかりました。
(はぐりんは、子どもたちが親しみやすいコミュニケーションを取るのが上手い)
―日帰りの活動以上に、キャンプでは子どもたちの成長する姿が見られますもんね。
そうなんですよ。加えて、次の3月の春休みのキャンプに参加したことも大きいです。この時に、先輩スタッフの班を見て、憧れと尊敬の気持ちを持ったからです。先輩の班の子ども達はとってもいきいきとした表情で活動をしていて。それがとても印象に残りました。その先輩もとても楽しそうで。「自分もそうなりたい」「子どもたちと一緒に、いきいきと楽しく活動したい」と思い、今までずっと活動に参加しています。活動終了後は反省することだらけで、考えが足りなかった、もっと準備できた…と悔しさを感じることが多いですね。でもその悔しさが、またやりたい!という想いにつながっていると思います。
―先輩スタッフの存在って大きいですよね。現場の活動以外で、続けている理由はありますか?
「あそびの達人」という、日帰りの企画を担当したことも大きいですね。今年の2月の「あそびの達人」の企画をしたのですが、子どもたちにどのように成長してほしいか?を考えながら、企画を作り上げていきました。企画に携わる中で、現場の裏側というか、今まで子ども達と一緒に活動している時とは違う視点を持つことができました。裏側を知ることで、現場の子どもたちの活動も、違う視点で見ながら取り組むことができるようになって。より深い部分を知ることができた感じですね。
―なるほど、はぐりんが継続的に活動に参加してくれるのには、様々な理由があったのですね。最後に、はぐりんが毎回活動に出る上で大切にしていることはありますか?
先ほども話しましたが、活動が終わった後の反省です。反省をして次の活動につなげるためにはどうしたらいいか、子どもたちに何ができるのか。毎回考えて活動に出ています。参加してくれる子どもたちにとっては、とても大切な時間だと思うので。
―きっとはぐりんは子どもたちにとってのよき「お兄さん」になっていますね。はぐりん、ありがとうございました。
(インタビュアー ひーくん)