
夢職人では、多様なバックグラウンドを持った学生や若手社会人がボランティアスタッフとして、子ども達の多彩な体験活動を支えています。
スタッフは、先生や親とは異なる立場から子ども達と関わり、親しいお兄さん・お姉さんのような存在です。「another story」では、そんなスタッフたちが活動をはじめた経緯や活動で感じたことなど、スタッフの一人ひとりの物語をお伝えします。
今回は、大学4年生の「おしん」にインタビューをしました。(本記事の内容は、取材当時のものです)
等身大で子どもと関わる楽しさを知った
――まずはじめに、自己紹介をお願いします。
おしんです。大学4年生で社会学を専攻しています。地域のコミュニティーに関心があり、町内会や商店街へ行き調査をしています。
――おしんが夢職人に入ろうと思ったきっかけは何ですか?
大学生になるタイミングで何かボランティア活動をしてみたいなと思っていました。その時たまたま知人から夢職人のことを教えてもらって、話を聞いてみて「子どもと一緒に遊ぶのが楽しそう!」と思いました。あとは、もともと自分で企画を作ることが好きだったのですが、夢職人でも活動を作る機会があると聞いていずれ挑戦してみたいと思い、入会を決めました。
――そうだったんですね!入会して初めて参加した活動は何でしたか?
大学1年生の夏休みに参加した「アウトドアキャンプ」で、マッチを使わずに火を起こしたり、弓矢を作ったりしました。初めは「子どもと仲良くなれるかな?」「話しかけてくれるかな?」と緊張していましたが、バスでレクリエーションをすると、その後に子どもたちが「おしん!おしん!」って話しかけてくれて。「こんなに子どもから話しかけてくれるんだ!」とめっちゃ嬉しかった記憶があります。
――なんだか最初からおしんっぽいですね(笑)その時、子どもと関わる楽しさは何だと感じましたか?
等身大で子どもと関わることです!みっちり子どもと関わったのは、このアウトドアキャンプが久々で。子どもと一緒に楽しめるのか最初は不安でしたが、気づいたら子どもと同じ目線に立って楽しんでいる自分がいました。そのとき、大人という立場ではあるけれど、年上のお兄さんという感覚で子どもと接することが大事だと気付きました。そしてそれは今でも、活動に参加するときに心がけていることです。


(子どもたちからも親しみやすく頼れる存在)
――初参加のキャンプから3年。今では夢職人で一番キャンプに行くスタッフになりましたね!キャンプにたくさん参加するモチベーションは何ですか?
キャンプはいつも何が起こるかわからないです。どのキャンプに行っても想像していたことと実際に起こることは違い、そこのギャップがすごく面白いと思っています。毎回いい意味でも悪い意味でも予想を裏切られる。そこが楽しいです!
企画を通して、メンバーとの関係性も深まっていく
――キャンプの良さがよく伝わってきました!そういえばおしんが夢職人に入ったもう1つのきっかけが「企画」だと思います。おしんが初めて企画に携わったのはいつでしたか?
大学1年生の11月でした。ちょうどこの時期に学祭の実行委員もやっていて忙しかったのですが、もともとやってみたいと思っていたのもあって、企画のメンバーになることを決めました。
――学祭準備と同時並行での挑戦だったんですね!ちなみに学祭の実行委員はどんなことをするのですか?
学祭は大人数で仕事が細分化され、その細分化された仕事を担います。1年間かけて学祭2日間のために準備します。自分が関わっているところは全体のほんの一部ですが、1年間かけて準備すると当日の成功したイメージが浮かんできて、全員で大きなことを成し遂げられるのが学祭の魅力だと思います!

(大学の学祭実行委員の様子)
――それを踏まえて夢職人の企画ならではのやりがいは何ですか?
夢職人の企画は3〜5人という少人数で、3か月間という短期間でスピード感をもって進めていくところが特徴だと思います。学祭のような大きい催し物の運営と違って、1人が持っている裁量が大きく、企画の色をチーム全員で作っていける点が夢職人の企画のいい所だと思います。少人数でやっている分メンバーの個性が現れるし、メンバー間で関係性を作りながら意見を交わすことで、より良い企画を作っていけます。そこの手触り感が学祭よりもあるなと感じます。あと、メンバーと仲良くなれるので活動に参加するきっかけが1つ増えます。(笑)
――なるほど!手触り感というワードが印象的なのですが、具体的にどんな場面で感じましたか?
ハンバーガーの企画に参画した時でした。企画チームでは、子どもたちが活動中、自主的に「きれいに」「素早く」「おいしく」ハンバーガーを作ってほしいと考えていました。そのために「ビューティー」「スピーディー」「テイスティー」というキャラクターを作り、楽しくそれらを意識できるようにしました。すると活動中子どもたちが嬉しそうに「私たちの班はビューティーを目指す!」「おれは、スピーディー隊長!」などと話していて。子どもたちにキャラクターと単語がインパクトに残ったみたいで、やって良かったなと思いました。
あとは単純に、ハンバーガー作りでテンションがものすごく上がっている子どもの姿が見れて。自分たちが作り上げた企画を子どもに提供できて、その反応を直接見られたときは嬉しかったし、やって良かったなと思いました。

(プロジェクトメンバーとのミーティングの様子)
受け取った分、周囲に還元していきたい
――約3年間、夢職人でいろんな経験をしてきたんですね!今、おしんにとって夢職人はどんな場所になっていますか?
子どもと一緒に自分自身も成長できる場だと思っています!夢職人は子どもを対象とした体験活動を実施している団体ですが、「子どもと若者の学びや育ちを社会全体で支える」という団体のミッションには子どもだけではなくて、若者も含まれています。自分自身も大学生としてたくさんのことを吸収して成長できる時期に、夢職人という場所に関わり、いろんなことを学ぶことができました。そういう場所は学校だとあまりないと思っています。夢職人だからこそ自分自身が多くの場面で成長できていると感じます。
――成長を感じられる場所、確かに学校とは少し違った環境ですよね。
夢職人には幅広い年代のスタッフが在籍しています。また、多くの子どもたちとも関わる機会があります。年代もバックグラウンドも異なる人たちと関わる中で様々な気づきを得られる場所で、そういった点から自分の成長を支えてもらっているなと感じています。

――現在は、大学4年生ということでこれから社会人になっていくと思います。これからどのように夢職人に関わって行きたいですか?
夢職人から受け取ったものは大きいと感じています。3年くらい在籍したのでそろそろ受け取ったものを還元していきたいという気持ちがあります。
最近、学生のスタッフや若い社会人のスタッフが多く入会してくれているので、自分と同じように、夢職人がその人にとって成長の場になったらいいなと考えています。そのために自分も現場に出て、新しいスタッフも現場にたくさん出たいと思えるような関わりを増やしていきたいです。
来年には社会人になるので、今が一番夢職人に関われる時期だと思います。
3年間、自分が活動に参加する中で夢職人の活動の魅力や価値をたくさん感じてきました。活動を通して、子どもたちは普段の生活ではやらないことに挑戦することができます。試行錯誤しながらもうまくいったときには、子どもたちが自身の成長や楽しさを実感できます。そんな姿を間近で見ることができるのは、スタッフとしてのやりがいに繋がっています。
残りの学生の時間を使って、他のスタッフにも夢職人の活動に参加したいと思えるきっかけを与えられたらと思っています。
――これからの活躍も期待しています!ありがとうございました!
(取材:ななちゃん)

