2025年9月「ステップアップ研修」を行いました!

本日は、「ステップアップ研修」を開催しました。「ステップアップ研修」は主に入会3年以内のスタッフを対象に、活動に参加する上での基礎的なスキルや考え方を学ぶ場として実施しています。今回のテーマは「子どもの発達に合わせた関わり方を考えよう!」です。

社会には障害や特性の有無、経済事情や家庭環境の違いなど多様な人々が共生しており、夢職人の活動をはじめとして子ども達と関わる際には、みなが心地よく生き生きと過ごせるような環境を整えていくことが重要だと考えています。子どもの育ちやそれぞれの個性をより深く理解するための視点の一つとして、「発達障害」を今回のテーマとし、基礎的な知識を身につけたり、子どもへの関わり方を改めて考えるためのワークショップを研修では取り入れました。

前半は、発達障害の基礎的な知識について学びました。発達障害の定義や機序からは、脳の器質的な障害であること、周囲の環境調整や合理的配慮によって適応が大きく変わることを確認しました。また、代表的な発達障害として、AD/HDと自閉症スペクトラムについて、どのような特徴があるのかを学びました。

例えば、AD/HDの特性がある子どもたちは、衝動性や注意力に課題があることが多いため、行動に思考が追いつかなかったり、口頭で伝えられた指示を聞き漏らしてしまうなどの困り感を有していることが考えられます。夢職人の活動場面を振り返って考えると、気が散ってしまうことを防ぐために一度に提示する資料を少なく調整したり、視覚的に確認できるツールを用意するなどの工夫が考えられます。

また、自閉症スペクトラムの特性があると、他者視点に立ってコミュニケーションを取ることが難かったり、自分の興味関心のあることにこだわりやすく、切り替えが難しいなどの課題が生じやすいです。スタッフが子ども同士の会話の橋渡しをしたり、活動の流れの見通しを伝えて、混乱を避けるような支援ができるとよいかもしれません。

活動の中で対応が難しいと感じる場面においては、子どもの様子を観察したり状況を整理して、子どもにとっての行動の意味や必然性を理解することでアプローチの方法が見えてくるケースも多いです。

後半は、実際の活動場面等を想定して子どもへの関わり方について参加者が主体的に学ぶ、ワークショップ形式で行いました。一つ目は「肯定的フィードバック」を増やすことを意識するワークです。

行動理論によれば、子どもとの信頼関係を築くための最初の重要なステップは、良い行動に着目しほめる(肯定的なフィードバックを返す)ことです。子どもたちに「それは良い行動ですよ」と伝わる形で大人がフィードバックをすることで、子どもは行動を学習し、良い行動が増えていくことが期待できます。子どもたちとの関わりに悩む時、どうしても止めて欲しい行動が目についたり、早く次の行動を促さなければと焦ってしまうことも多いですが、例え不十分であってもできている部分やがんばろうとする姿勢に働きかけることを意識し、練習をしました。子どもに視線を合わせたり、気持ちを受け止める言葉掛けを心がけたりと、それぞれのスタッフの工夫が見られました。

二つ目は、子どもへの「伝え方の工夫」を考えるワークです。夢職人の活動では、子ども数人をスタッフ1〜2人で担当し、班活動でプログラムを進めることが多いです。今回のワークではそのような班活動を想定し、与えられたシチュエーションにおいて子どもにどのような順番、伝え方をするとわかりやすい指示となるかをグループ毎に話し合い、発表しました。ウォークラリー、野外での調理、クラフトと3つの場面に別れ、「ポイントを紙に書いて見せると分かりやすいと思う」「最初に一日の流れと時間の目安を説明すると、作業のイメージが湧きやすいかも」「刃物を使う時の注意点は、言葉だけでは分かりづらいから、大人に声をかけてもらって一緒に教えるようにしよう」などと各グループで様々なアイデアが生まれました。

今回の研修では、子どもの発達や特性について理解したり、子どもにとって過ごしやすい環境づくりや関わりについて、改めて考える機会となったかと思います。夢職人の活動が参加する全ての子どもたちにとって安心できる場であるよう努めることはもちろん、社会の一員として子どもたちの育ちを支えるために、学びの姿勢を持ち続けることや関わりの幅を広げていくことは非常に重要です。これからも研修やワークショップなど、スタッフ同士の学び合いの場を設けていきたいと思います。

(理事 あべちゃん)

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