2022/11/02
本日は、東京都中野区にある「東京都立富士高等学校」の高校1年生(4年生)の授業で、当法人の高校向けプログラム「社会課題に取り組む企業やNPOの実践事例からSDGsを学ぶ」を行いました。
本プログラムは、東京都教育庁地域教育支援部生涯学習課が行う令和4年度「都立高校生の社会的・職業的自立支援教育プログラム事業」の一環として、今回、東京都・都立高校の独自教科である「人間と社会」の授業内で実施しました。
「社会課題に取り組む企業やNPOの実践事例からSDGsを学ぶ」では、当法人がSDGsに関連する取り組みを行っている企業やNPO・団体様をゲストティーチャーとしてコーディネートし、授業内で実際の事業や取り組みをご紹介いただくとともに、テーマに沿ったグループワーク等を行うものです。生徒のみなさんには、事前にどのテーマの授業を受講したいか選択してご参加を頂いています。
今回の授業では、株式会社日本HP様、株式会社フィノバレー様、ケアプロ株式会社様、三ッ輪ホールディングス株式会社様の計4つの企業の皆様にご協力をいただきました。
各授業の様子は、以下のようにご紹介いたします。
三ッ輪ホールディングス株式会社様は、エネルギーをテーマにした授業です。昨今の世界情勢や開会直前の気候変動対策を話し合う国連の会議「COP27」など、タイムリーな話題を交えながら、いま、地球がおかれている環境面での課題を前半部分でお話をいただきました。
三ッ輪ホールディングス株式会社様はCO2フリーかつ、社会や地域のために活動を行っている人たちを応援する電気プランを提供されています。後半のグループワークでは、一人でも多くCO2フリーの電気プランを導入してもらうことが前半部分の課題をクリアにしていくことに繋がるので「誰をターゲットにして」「◯◯な付加価値をつけて」提供すると、より社会に広がるかを考えていきました。「育児をしている家庭をターゲットにして、その子どもの成長に合わせた環境に配慮したおもちゃなどの返礼品を年に数回もらえるプラン」「QR決済を導入したい小さい商店をターゲットにして、QR決済手数料が割安になるプラン」など、今の時代に即した斬新なアイディアが多く出ていました。
※三ッ輪ホールディングス株式会社について
https://mhdg.co.jp/
(担当スタッフ:鈴木)
医療・福祉をテーマとして、株式会社ケアプロ様にお話をいただきました。前半は主な3つの事業の説明と併せて、人々が健康に生活できるために目指している取り組みを教えていただくことができ、生徒のみなさんもたくさんメモを取っていたことが印象的でした。
後半では、前半にお話いただいた株式会社ケアプロ様の事業の1つである「交通医療事業」をテーマにグループワークを行ないました。外出することに困っている人を助けるサポートを広める方法として、班ごとに様々な場面を想定しながら話し合いをしていました。どの班も積極的に自分の意見を伝えて、班でのまとめを作り上げていた様子を見ることができました。
※ケアプロ株式会社について
https://carepro.co.jp/
(担当スタッフ:嶺、吉田)
株式会社日本HP様では、気候変動対策をテーマにお話をいただきました。HP様は気候変動対策目標を達成するために、「持続可能な素材の利用」や「エネルギー効率の良い製品設計」など、様々な重要な取り組みを行なっています。
後半のグループワークでは、希少な金属である「レアメタル」と「プラスチック」に焦点を当て、これらが回収されなくなった世界はどうなるか?そうならないために何ができるか?を同世代に広く発信するメッセージを考えてもらいました。
絵や文字でストーリーを考えて、紙芝居のようなイメージで4枚の紙に落とし込んでもらいました。短時間の中で想像を膨らませながら、アクションを促すアイディアが多く出ており、高校生たちが持っている力に驚かされました。
※株式会社日本HPについて
https://www.hp.com/jp-ja/home.html
(担当スタッフ:山田)
株式会社フィノバレー様では、技術革新(フィンテック)をテーマにお話をいただきました。「そもそもお金とは何だろう?」という話から、地域社会が抱える課題に対してデジタル地域通貨だからこそできる取り組みなどを教えていただきました。
後半のグループワークでは、生徒の皆さんに地域が抱える課題に対してデジタル地域通貨を使った解決策を考えてもらいました。都立富士高校のある中野区を舞台に、商店街の活性化やリサイクルの推進など、実際に中野区が発表している区の課題について考えていきました。アイデアの根拠となるようなデータをその場で調べながら、各グループが説得力のある解決策を考えている姿が印象的でした。
※株式会社フィノバレーについて
https://finnovalley.jp/
(担当スタッフ:横山)
今回、夢職人様にお世話になり生徒には貴重な機会となりました。本プログラムは高校1年生の「人間と社会」の「自然と人間のかかわり」の一環として、また、課題研究に挑む生徒に研究課題を考える一助にと2つのねらいをもって今回のプログラムを依頼しました。前者では校外学習も行いましたが、「企業が」という生徒たちも将来もたなくてはいけない目線を学ぶことができたと思います。また、後者においては本校では「社会が抱える問題を把握してそこから研究課題を設定する」という視点の不足を本校外部委員から指摘されてきました。今回は、4社の先生方から実際に今各社で取り組んでいるであろうテーマを基に議論の課題をいただいたと思います。今回の講演やワークショップから学んだこの視点が生徒たちの中に浸透してくれればと思います。
各授業のご紹介、先生からのご感想については、以上となります。
どの授業もゲストティーチャーの話をじっくり聞き、真剣にグループワークに取り組んでいる姿が印象的でした。授業後に実施したアンケートからも、普段はなかなか知ることができない様々な取り組みや課題について学ぶことができたと大変に好評でした。今回の授業で学んだことが、少しでも生徒の皆さんの学びにつながっていれば幸いです。
>>令和3年度・高校向けSDGsプログラムを「東京都立小石川中等教育学校」で実施しました!
・株式会社フィノバレー:フィンテックで全国各地の社会課題を解決するフィノバレー、都立富士高等学校でのSDGs特別授業を実施
・三ッ輪ホールディングス株式会社:東京都の自立支援教育プログラム事業で高校生向けの授業に登壇