2023/09/27
本日は、東京都中野区にある「東京都立富士高等学校」の高校1年生(4年生)の授業で、当法人の高校向けプログラム「社会課題に取り組む企業やNPOの実践事例からSDGsを学ぶ」を行いました。
本プログラムは、東京都教育庁地域教育支援部生涯学習課が行う令和5年度「都立高校生の社会的・職業的自立支援教育プログラム事業」の一環として、今回、東京都・都立高校の独自教科である「人間と社会」の授業内で実施しました。
「社会課題に取り組む企業やNPOの実践事例からSDGsを学ぶ」では、当法人がSDGsに関連する取り組みを行っている企業やNPO・団体様をゲストティーチャーとしてコーディネートし、授業内で実際の事業や取り組みをご紹介いただくとともに、テーマに沿ったグループワーク等を行うものです。生徒のみなさんには、事前にどのテーマの授業を受講したいか選択してご参加を頂いています。
今回の授業では、株式会社ガイアドリーム様、株式会社日本HP様、株式会社フィノバレー様、三ッ輪ホールディングス株式会社様の計4つの企業の皆様にご協力をいただきました。
各授業の様子は、以下のようにご紹介いたします。
株式会社ガイアドリーム様からは、食品ロスをテーマにお話をいただきました。そもそも食品ロスとは何なのか、家庭と企業それぞれの現状、日本と世界それぞれの現状と取組について学びました。質疑応答の時間では時間いっぱいいっぱいまで積極的に質問が飛び交いました。
後半のグループワークでは、スーパーマーケットの経営者になりきり、野菜やお惣菜など対象を1つに絞って食品ロスを削減するためのアイディアを話し合いました。「賞味期限の近いお惣菜やお弁当を試食コーナーに回し、購買意欲を高める」「野菜の保存期間を延ばすために漬物にする」「パンを1つ購入したら1つ別の商品がおまけでついてくるようにする」など様々なアイディアが出てきました。中には世界で実際にされている取組みに近いアイディアも出ていました。
※株式会社ガイアドリームについて
https://gaeadream.co.jp/
(担当スタッフ:山崎)
三ツ輪ホールディングス株式会社様には、エネルギーをテーマに授業をしていただきました。前半のプレゼンテーションでは、温暖化による環境問題の深刻な状況から、持続可能な社会を目指す中で、世界的に抱えている課題、日本の地域で課題になっていることについてお話をいただきました。
後半は「都立富士高校の環境担当になったと仮定し、学校内でCO2排出量の削減を行うにはどんなことができるか」についてグループで話し合いました。「紙の教科書をすべて撤廃してみる」「修学旅行の移動を環境に良い手段を選べないか」「給食をなくしてみたら、家庭でお弁当を作るのとどちらが環境に良いのだろう」など、アイディアを考えつつ、「本当にそれで良いのだろうか」と様々な観点から話し合っている姿が印象的でした。
・三ッ輪ホールディングス株式会社:東京都の自立支援教育プログラム事業で高校生向けの授業に登壇
※三ッ輪ホールディングス株式会社について
https://mhdg.co.jp/
(担当スタッフ:横山)
株式会社日本HP様では、「ジェンダー平等」をテーマにお話をいただきました。HP様はジェンダー平等を実現するため、明確な目標を定め、様々な取り組みを行なっています。今回は「Diversity(多様性)」「Equity(公平)」「Inclusion(包含)」がなぜ重要なのかやジェンダーギャップの問題について、また、ジェンダー平等を達成し自分らしく生きるとはどういうことなのかお話をいただきました。
後半のグループワークでは、身近なアニメやキャラクターを取り上げ、ジェンダーバイアスを見つけてみるワークを実施しました。見つける観点はグループごとに多種多様で、逆に大人の方が気付かされることが多かったです。
発表の中では「自分の人生は自分で決めたほうがいい」「自分に嘘をつかないで生きることが大切」など、思った以上に深い気づきが挙げられていることが印象的でした。
※株式会社日本HPについて
https://www.hp.com/jp-ja/home.html
(担当スタッフ:山田)
株式会社フィノバレー様に、「デジタル地域通貨を使ったソーシャルイノベーション」をテーマにしてお話をいただきました。現代では支払いをするときに紙幣や硬貨だけでなく、クレジットカードや電子決済など幅広い手段が広がっていることを踏まえ、フィノバレー様が運営しているデジタル地域通貨の活用をすることで、地域の課題解決に繋がっていくことを学ぶことができました。
後半は、中野区の社会課題をデジタル地域通貨で解決していくグループワークを行ないました。中野区独自のデジタル地域通貨「なかのpay」が仮に普及していることを前提とし、様々な案を出し合っていました。ワークを通して、お金のデジタル化が世の中の課題解決に繋がっていくことをより感じることができる時間となりました。
・株式会社フィノバレー:都立高校でのSDGS授業を取材!高校生に刺激をもらい、同行した社員2名がデジタル地域通貨について熱く語りました!
※株式会社フィノバレーについて
https://finnovalley.jp/
(担当スタッフ:嶺)
年度に引き続き、夢職人様にお世話になりました。生徒たちは企業の講師の皆様の講義を聴き、与えられた課題にグループで挑み、自分たちなりの考えをまとめて発表することができました。講師の皆様からすれば稚拙な発表もあったかと思います。しかし、一つ一つの発表を真摯に聞いてくださり、前向きなコメントをいただけたことは生徒たちにとって貴重な経験だと思います。「多面的に問題を分析できているね。君は社長向きだな。」と言っていただいたグループの生徒に講座のあと話しかけると、とても嬉しそうにしていました。こうした経験を課題研究、そして将来社会で活かしてくれることを期待しております。今年度も誠にありがとうございました。
各授業のご紹介、先生からのご感想については、以上となります。
どの授業もゲストティーチャーの話をじっくり聞き、真剣にグループワークに取り組んでいる姿が印象的でした。授業後に実施したアンケートからも、普段はなかなか知ることができない様々な取り組みや課題について学ぶことができたと大変に好評でした。今回の授業で学んだことが、少しでも生徒の皆さんの学びにつながっていれば幸いです。