2009/05/25
Q1. 普段はどんな仕事をされていますか。
秋本:仕事はシステムエンジニア(SE)で、特にプログラミングや管理を担当しています。業界的に忙しい時には土日も出社、毎日残業がありますが、暇な時には定時に退社出来ます。元々は福岡の本社で就職して、都内に異動して約5年になります。出身は北九州で、最近子どもたちには「イントネーションが違うよ」とよく言われてしまいます(笑)
栗原:私は普段、銀行で窓口営業をしています。残業や研修で土日に仕事が入ることもありますが、基本は定時退社出来ることが多いです。勤務地は江東区で、現在住んでいる場所も、そして夢職人の事務所も江東区なので、色々と便利なんです(笑)
Q2. 夢職人で活動を始めたきっかけを教えて下さい。
栗原:小学生の頃から江東区が主催する「ジュニアリーダー」という活動に携わっていました。子ども会などグループ活動のリーダー育成を目的としており、キャンプなどを通じて子どもたちと接点を持っていました。この活動を通じて立ち上げメンバーと知り合い、声をかけられたのが夢職人への参加のきっかけでした。大学1年の時から参加しているので、今年で夢職人での活動歴は6年になります。
秋本:元々福岡にいる時から市民センターで子ども関連のボランティアをしていましたが、仕事を始めてからは忙しさゆえ関われなくなっていました。2年ほど前に仕事が落ち着いてきた頃「また同じようなことがやりたい」と思いネットで調べていたところ夢職人に出会い活動を始めました。自宅と職場から事務所が近いことも大きかったですかね(笑)そして今思えば、小さい頃から子どもたちの面倒を見ることは好きでした。
Q3. 夢職人ではどんな活動をされていますか?
秋本:月に一度、子どもたちと一緒にレクリエーションをする「あそびの達人」というイベントがあり、子どもたちのグループ付きのスタッフをしています。また、「土曜学習」という学校教育の支援や、「下町商人(あきんど)スクール」というキャリア教育の活動にも関わっています。「下町商人(あきんど)スクール」は子どもたち自身が企画をし、予算立て、商品の仕入れから販売までを行うというプログラムです。最近はイベントの企画に関わることが多いのですが、企画側に立つことでプログラムのねらいなどを深く理解した上でイベントに参加することができます。これは、当日にグループ付きのスタッフとして参加する時に「どう動くべきか」を理解する助けになりますし、何より夢職人自体のことをより良く理解することに繋がっています。
栗原:イベント毎に自分の役割は異なりますが、通年では、プログラムが単純に遊ぶだけのイベントで終わってしまうのではなく、夢職人のビジョンに合った形で“「あそび」、「まなび」、「つながる」をテーマとした子どもの成長の場づくり”となるように、プログラムのコーディネートを担当しています。また新しく夢職人のスタッフを希望されるボランティアの方に向けて、団体説明のオリエンテーションなどもしています。
Q4. 仕事とボランティアの関係、その両立について教えて下さい。
秋本:夢職人で子どもたちの教育に関わり、子どもたちが成長していくことが好きなのですが、仕事においても新人の教育に積極的に携わりたいと、会社に対して自分の意見を言うようになりました。また、逆に仕事でのSEの知識や経験を活かし、夢職人専用のSNSを含むシステムのサポートを行っています。そういう意味では仕事とボランティアの相乗効果が生まれていると感じています。
栗原:私も夢職人で学ぶことが、仕事だけではなく日常の様々な場で役立っていると感じています。コーディネーターをしていて年下、年上のスタッフから学ぶことも多いですし、子どもたちからも多くを学んでいます。例えば、会社では色々なお客様とコミュニケーションをとらなければいけませんし、同僚とのチームビルディングの場などでも夢職人での経験が活かされています。また、夢職人での活動を通じて、自分の良いところ、悪いところを自覚することも多く、良い意味で自分を見つめ直す機会になっているように感じます。
夢職人での活動を仕事とすることも考えられますが、一方でボランティアだからこそ出来ることもあると思っています。実際に夢職人では専従職員が2名とインターンが1名で、活動の多くはボランティアで成り立っています。ボランティアとして皆が少しずつ力を合わせて社会を変えていければいいなと感じます。
Q5. 夢職人の中での今後の目標を教えて下さい。
秋本:子どもたちの情報の管理やデータの見える化、その活用に関してITのシステムの導入を推進していきたいという想いがあります。資金の問題でIT分野にお金をかけることが難しい面もあるので、だからこそ普段の仕事で培った技能を活かして、将来的には夢職人でもシステムの構築をしていきたいと思っています。
栗原:まずはコーディネーターとして一人前になりたいと思っています。また、皆を引っ張っていけるような存在になりたいと思いますし、夢職人にもっと多くの人が関わって頂けるような基盤作りをして、周りの人を巻き込んでいきたいです。今はどうすればボランティアがもっと日常のものとなるのか、アプローチの方法などを考えています。
Q6. お二人にとっての夢職人の魅力とはなんですか?
秋本:きっかけは子どもと一緒に遊びたいなど単純なものでしたが、今では子どもと一緒に成長することが楽しく、他のスタッフと一緒にイベントを作り上げて成長していくことに喜びを感じています。夢職人にいるからこそ、年齢や職種も様々な方と交流することができ、こうした場を提供してくれるというのが何よりも魅力です。実際に、夢職人に関わることで自分が大きく変わったと感じています。
栗原:私も同じなのですが、小学校を卒業し、中学生になっても来てくれる子どもたちがいて、「当時小学校4年生でやんちゃだった男の子が、こんなにお兄ちゃんになっている」など、長い期間で子どもの成長を見届けられることは、夢職人ならでは魅力だと思います。また同時に、自分も子どもから多く学び、一緒に成長していけるという環境も魅力的です。あとは、一緒に活動しているスタッフも大きな魅力で、素敵なスタッフに囲まれているからこそ6年という長い期間活動を続けられているのだと思います。
Q7. 活動を通じて子どもたちに特に伝えたいことはありますか?
秋本:楽しみながら参加して欲しいということはもちろんですが、自分自身のやりたいことを見つけて欲しいと思います。プログラムには一見ゲームのようなものも多いですが、プログラムに参加するだけで完結するのではなく、プログラムを通じて子どもたち自身が「こうしていきたい、こうなりたい」という想いを持ち。実生活に繋がっていくようなプログラムを目指しています。ですので、夢職人を通じて子どもたちがやりたいことを見出して欲しいという思いは持っています。
栗原:色々なことに挑戦していける人になって欲しいと思います。そのために、色々な人に関われるような人になって欲しいです。私自身も、子どもの頃ジュニアリーダーの活動に関わり、学校にはいない、家庭にもいない、違う世界の人と関わることで色々な刺激をもらいました。だからこそ子どもたちにも、私が体験したこうした大切なことを伝えていきたいと感じています。
Q8. 最後に「もんじゅ」を見ている方へメッセージをお願いします。
栗原:自分にできることからでいいので、今の生活よりもう一歩踏み出し違う世界と関わってみて下さい。一人ひとりが変わると社会全体も変わっていくと思います。
秋本:一歩踏み出すこと、その一つとして、ぜひ夢職人に関わって欲しいと思います。夢職人には体験生のようなシステムがあり、スタッフと一日同じ活動を行い、活動が自分に合っているかを見てからスタッフへ登録することが出来るので、気軽に参加してもらえばと思います。
「子どもたちと共に成長していきたい」という言葉が印象的だった秋本さんと栗原さん。5年後、10年後、お二人が関わった子どもたちが大人になった時、その想いを引継ぎ夢職人のスタッフとして活躍している。そんな素敵な可能性を感じられずにはいられませんでした。秋本さん、栗原さん、どうもありがとうございました![ 取材:後藤・大司・谷口 撮影:前田 ]
※本記事は、パラレルキャリア支援サイト「もんじゅ」より許可を得て転載しています。