Table for Kids

子どもの貧困 | 食の支援
2020年~現在

デジタル技術を活用し、地域の新しいセーフティーネットを構築する

「Table for Kids」(子どもの「食」応援クーポン事業)では、「まちのみんなの力で、子どもの食から支える。」をコンセプトに、デジタル技術を活用し、地域の新しいセーフティーネットの構築に取り組んでいます。経済的なご事情を抱えた子育て家庭に対して、まちのお店(飲食店・弁当惣菜店・精米店・青果店等)の対象メニューや商品で利用できるデジタルクーポン(ポイント)を付与し、2020年12月から新たな「食」の支援に取り組んでいます。

デジタルクーポンの仕組み

デジタルクーポンは、民間企業・団体や個人等からの寄付金や助成金等をもとに、当法人が株式会社フィノバレーと連携して運営するスマートフォンのアプリから給付しています。現金給付と違い、デジタルクーポンで支給することで、目的外に使用されることがなく、確実に必要な支援を提供することができます。アプリからは、食の支援に加えて、行政・自治体、他のNPO・団体の支援情報の提供も行っています。

事業の背景

本事業は、新型コロナウイルスが感染拡大した2020年12月に開始しました。当時、外出規制の影響もあり、特にアルバイトやパートなどの非正規雇用で働いていた方は、シフトがとても不安定な状況となり、収入が大幅に減りました。もともと経済的に厳しい状況だったひとり親家庭・低所得家庭の生活がさらに追い詰められてしまう状況となった一方で、感染症対策等の問題から子ども食堂などの食の支援が相次いで休止となりました。

地域の支援団体やお店、ひとり親家庭など様々な方々とのヒアリングや議論を重ね、支援者の目線ではなく、支援を必要とされている方の目線で、従来の食の支援の課題を解決した新しい仕組みが必要だと感じました。そして、生活に苦慮している子育て家庭をまち全体で支えていくことができる仕組みとして、トライ・アンド・エラーを繰り返し、「Table for Kids」の取り組みが生み出されました。

多くの子ども食堂は、月に1回や2週間に1回の開催頻度となっていますが、「Table for Kids」の仕組みであれば、お店の営業時間であれば、いつでも利用することができます。SDGsの観点からも個人や企業のフードロスが削減されていく中で、今後、フードバンクなどでは余剰品の確保が難しくなっていくことが予想されますが、「Table for Kids」の仕組みでは影響を受けません。

当事者であるご家庭が安全かつ便利に食の支援を利用できるように、また、生活を支えていくために役立つ給付金・奨学金、教育支援、就労支援などに関する情報を迅速に得られるように、デジタル技術を活用した支援の仕組みとなっています。