2017/06/03
今年度1回目の「ステップアップ研修」を実施しました。この研修は、入会3年以内のボランティアスタッフを対象に実施しており、子どもたちとの教育活動を行っていくうえで、必要な知識や考え方、技術などを習得してもらうことを目的としています。今回のテーマは、「発達障害について」と「グループ活動の方法」です。
初めに一緒に学ぶ仲間同士で自己紹介を行い、アイスブレイクを行いました。初対面のスタッフ同士もおり、アイスブレイクを通して交流を深めていました。緊張感がほぐれてきたところで、いよいよ第一部のテーマである「発達障害」の研修へ。臨床心理士として、普段は、更生相談所に勤務されている先生を講師としてお招きし、研修を進めていきます。
「発達障害ってそもそもどんな種類があるの?」という基本的な部分から、改めて学んでいきました。発達障害の種類やそれを抱える子どもたちの特徴などを、動画やイラストなどを含めて、わかりやすく解説していただきました。何となく耳にしたことはあるものの、体系だった話をちゃんと聞いたことのなかったスタッフも多かったようで、「なるほど」とみんな真剣に聞いていました。
後半は、ロールプレイングや実践的なワークを実施し、具体的な声掛けや関わり方について学んでいきました。実際に体験してみると、一人ひとり様々な気づきがあったようです。また、発達障害の子ども達の困り感を少しでも減らしていくための関わり方は、実は発達障害をもたない他の子ども達にとってもよい関わり方だというお話も聞き、より現場の活動に直結させながら、考えていくことができました。
第二部は、「グループ活動の方法」について、実際の活動中にあった事例をもとに、「必要な対応」と「やってはいけない対応」について考えていきました。かなりボリュームがある内容でしたが、1つ1つの事例に対して、「どうしたらよいのだろう?」と、グループごとに真剣に議論する様子がありました。具体的な対応を考える前に、「子どもはなぜそのような行動を取るのだろう?」と、子どもの行動に焦点をあてて考えているグループもありました。実際の活動で、今回取り上げた事例と全く同じ状況になることはないものの、瞬時の判断が求められる現場において、必要な考え方を身に着けておくことは非常に重要なことです。子どもとの関わりに正解はないからこそ、「何が良かったのか?」をいつも問い、考え続けることが求められます。
また、社会教育指導主事や児童養護施設の勤務を経て、現在公立小学校で主幹教諭として勤めている講師の方から、お話を頂きました。「社会教育」というものが、世の中的にはほとんど認識されていない今、このような活動を続けていくことは非常に意義のあることであり、「教育」ではなく「共育」をこれからも形にし続けてほしい、というお話でした。また、子どもとの関わりの中で、大人自身が思っていることや感じていることを、子どもたちに発信し続けていくこと、それこそが関係を築いていく第一歩であることを教えてもらいました。
今後の研修をよりよいものにしていくための意見もたくさんいただき、非常に有意義な時間となりました。今回の反省や課題を踏まえて、次回の研修を組み立てていきたいと思います。私たちの活動を待っている子どもたちのために、成長を止めないよう、これからも精進して参りたいと思います。
(理事・コーディネーター 山田)