2019/11/24
本日は、入会3年以内のスタッフを対象とした今年度1回目の「ステップ・アップ・デイ」(研修)を実施しました。この研修は、入会3年以内のボランティアスタッフを対象に実施しており、子どもたちとの教育活動を行っていくうえで、必要な知識や考え方、技術などを習得してもらうことを目的としています。
昨年度までは1日に1講座でしたが、今年度からは複数の講座を同時開催し、参加者が参加したい講座を選び出席できる形になります。今回のテーマは「リスクマネジメント」と「レクリエーション」です。
まずは「リスクマネジメント」の研修の様子をお伝えします。夢職人の活動の最優先事項として、活動の安全性を確保することが挙げられます。当団体ではボランティアスタッフ登録時や、各活動のスタッフ事前打ち合わせ会等の場で、安全管理の知識や技術、活動に関する情報の共有を行うことで、日頃から安全管理に努めております。今回の研修では、リスクマネジメントや安全管理に対する基本的な考え方を改めて学ぶとともに、刻々と状況が変化する現場で、リスクマネジメントをするために必要な視点を養うワークを行いました。
まずは、リスクマネジメントの定義や在り方を、講義を通して確認しました。体験活動は「リスクを最小限にして安全に提供することが大切である」という認識を指導者はしっかり持つことが基本であると再確認しました。
次に、「危険予知トレーニング」として、体験活動の場面を元に、どのような事故に繋がりうるかを予測しながら、ひそんでいるリスクを発見するワークを行いました。ある研究によれば、1件の重大な事故の背景には、小さな事故やひやっとする状況、多数の見逃されたリスクがひそんでいると言われています。体験活動の現場においては、「一歩間違えれば事故につながりうる」ような状況を即時に判断し、スタッフ間で共有したり、そのようなことが起きないようにするための対策をとることが必要です。
刃物を使う場面や集団で行うハイキングの場面等のイラストを見ながら意見交換をすると、「刃物の使い方が間違っている」、「子どもがおしゃべりをして説明を聞いていない」など、意見が次々と挙がりました。リスク要因には、気候や現場の設備等の環境によるものや、スタッフの知識や経験から引き起こされるもの等、様々なことが想定されます。中には「子どもの気持ち」など目に見えづらい要因もあるため、小さなサインを見逃さずに目を配っていくことが求められます。
また、ワークの振り返りでは、刃物を使う時の装備など、団体内のルールに関しても確認と共有をしました。一人ひとりがリスクに対する感度を高めると共に、安全に行うためのルールづくりをしていくことも大切だと感じました。
後半は、リスクの発見から対処方法を検討して整理する一連の過程を、グループワーク形式で行いました。夢職人では活動を行う現地を必ず事前に下見し、当日のルート確認や試作を行っています。今回はその場面を想定して、現地の写真を見ながら子どもと活動する上で起こりうる事故を予測するワークを行いました。事故の危険度や頻度、そのリスク要因や対策などについても、丁寧に検討していきました。
リスク要因を曖昧にせず掘り下げて特定することは、より的確な対策をとることにつながります。参加スタッフからは、「経験だけに頼らず、理論的にリスク管理する視点が身についた」、「普段行っている事前説明会の大切さを再認識した」との意見が聞かれ、次回の活動に活かせる学びが得られました。
最後のまとめでは、スタッフが活動におけるルール等に関して共通認識をもつことや、スタッフ間で役割分担をしながら多くの目で確認することで、リスクに素早く気づき適切な対処ができるといったことを改めて振り返りました。今回の研修を通じて、安全な体験活動の場を守り、より充実させていきたいというスタッフの気持ちを高めることができたかと思います。
次に「レクリエーション」の研修についてです。まず前半は、講師のレクリエーション(以下レク)を体験しました。バスレクや隙間時間でも使えるレクを7種類ほど体験します。ただ楽しむだけではなく、「子どもにとって楽しいポイントは何か?」など、子どもの視点に立った気づきを大事にしながら、進めていきました。参加者それぞれが気づいたことをメモに書き取り、周りの人と感じたことをシェアしながら、レクを体験していきました。
そして後半は、いよいよ実践の時間です。くじを引いて、実演するグループと、担当するゲームが決まります。先ほどのレク体験の時間に気づいたことや感じたことを思い出し、何を大切にすれば良いか考えながら練習をします。短い時間ですが、みんな真剣です。
いよいよ、グループごとにレクを実践する時間になりました。参加者としてレクを体験した時はわからなかったのですが、いざ進行してみるとこれが結構難しい!そして少人数の前でもかなり緊張します。それでもみんな一生懸命に自分のレクを実演しました。
この実演の時間は、ただ実演するだけではなく、レクを体験する側の人は子どもの気持ちに戻って、気づいたこと(良かった点やアドバイスなど)を伝える作業も行います。この「実演したレクに対して意見をもらえる」というのは、とても貴重な財産になります。というのは、自分のレクに対して意見をもらえる場というのは、なかなか無いからです。
そしてもらった意見を参考に改善点を考えて、今度はグループを変えて再度同じレクを実演の時間です。今度は1回目よりも上手くできたでしょうか?初めのフィードバックを参考に、それぞれが改善を加えており、進行そのものも、自信をもって臨んでいる様子がうかがえました。
最後に主催者側からレクを行う上で大切にしてほしいことの話がありました。今回、参加したスタッフの皆さんには、覚えたレクをぜひ機会を見つけて子ども達の前で実演してみてほしいと思っています。上達するためには、実践あるのみです。
今回は初の同時開催となりましたが。今年度はこのような形で一日に複数の講座を開催していきます。充実したスタッフの学び合いの場となるよう、研修の組み立てに尽力していきたいと思います。
(理事・あべちゃん、講師・わっさん)