2019/08/25
本日は、今年度4回目となる、入会3年以内のスタッフを対象とした「ステップアップ研修」を実施いたしました。この研修は、入会3年以内のボランティアスタッフを対象に実施しており、子どもたちとの教育活動を行っていくうえで、必要な知識や考え方、技術などを習得してもらうことを目的としています。
今回のテーマは「体験活動におけるリスクマネジメントを学ぼう!」です。私たちは日頃、自然体験活動、スポーツやレクリエーション、創作動など様々な体験活動を行っています。子どもたちにとって心に残る体験活動を継続していくためには、活動に置ける安全性を確保することが大前提となります。当団体ではこれまでにもボランティアスタッフ登録時や、各活動のスタッフ事前説明会等で、安全に活動するための知識や情報の共有を行って来ました。今回の研修では、リスクマネジメントや安全管理に対する基本的な考え方を学ぶとともに、現場で必要な視点を養う実践的なワークを行いました。
まずは、リスクマネジメントに関する基本的な講義からです。体験活動を提供する団体、スタッフとして「リスクを最小限にして安全に提供することが大切である」という考え方を再確認しました。
統計上、1件の重大な事故の背景には、小さな事故や見逃されたリスクが多数隠されていると言われています。日々の活動の中においては、「事故にはつながらなかったけど少しひやっとした」ような状況を見逃さずにスタッフ間で共有し、リスクとなりうる要因を事前に予測したり、そのようなことが起きないようにするための対策をとっていくことが重要であると、理論的にも知る事ができました。
次に「危険予知トレーニング」として、実際の活動場面においてどのようなリスクがあるかを発見するワークを行いました。創作活動やハイキングの場面等のイラストを見て意見交換をすると、「道具を正しい方法で使えていない」、「子どもの注意が逸れてしまっている」、「スタッフの目が充分に届いていない」など、気になった点が参加したスタッフからは次々と挙がりました。
ワークでは短時間で絵の全体を見て探すというルールだったため、他のスタッフの意見に対し「そこは気がつかなかった!」との感想も聞かれました。現場においても一人ひとりがリスクに対する感度を高めると共に、複数のスタッフが協力し、目を向けていくことが大切だと感じました。
また、後半は、一連のリスク管理を行うワークを、グループワーク形式で行いました。起こりうる事故を予測するだけではなく、事故が生じるリスク要因となるのはどのような事柄か、どのくらいの危険があるか、どのくらいの頻度で起こりうるかということを丁寧に検討していきました。活動中は、目の前の子どもや状況に目が向きがちですが、俯瞰的な視点を持つと、リスク要因となりうることはたくさんあることを実感しました。
リスク要因は、3種類に分類されます。これらの要因を曖昧にせず掘り下げて特定することで、より効果的な対策をとることが可能となります。今回は、イラストを題材にリスク分析を行いましたが、実際には表面的に見ただけでは分かりづらい要因もあるため、「子どもの様子に丁寧に目を配り、気持ちを汲み取った上で判断しなくてはいけないと感じた」といった意見も出て、このような気づきを活動の場面で生かしていかなくてはと感じました。
講義やワークを通じて、リスクに対する意識を常に持っておくことの重要さを学んだり、そのために必要な視点を養うことができました。また、最後のまとめの中では、スタッフがその活動に応じた予備知識を共有しておくことや、体調等のコンディションを整えて活動に臨むことといった基本的な心がけも、リスクを小さくするというお話をいただきました。今回の研修を通じて、スタッフ一同が協力し、安全な体験活動の場を作り上げていきたいという気持ちが高めることができたかと思います。
(研修運営スタッフ あべちゃん)