2023/09/02
本日は、「ステップ・アップ・デイ」を開催しました。「ステップ・アップ・デイ」は主に入会3年以内のスタッフを対象に、活動に参加する上での基礎的なスキルや考え方を学ぶ場として実施しています。今回のテーマは、「子どもの発達に合わせた関わり方」です。
夢職人の活動には、多様な個性や背景を持つたくさんの子どもたちが参加しており、子どもたちが活き活きと活動できるように大人が工夫して関わっていくことが必要だと考えています。子どもたちをより深く理解するための視点の一つとして発達障害を今回のテーマとし、基礎的な知識を身につけたり、子どもへの関わり方を改めて考える機会を持ちました。
前半は、発達障害の基礎的な知識について学びました。前提として、発達障害とは脳の機能障害による先天的な障害であり、本人の努力不足や親の育て方によるものではないことを確認しました。また、代表的な発達障害として、AD/HDと自閉症について、どのような特徴があるのかを学びました。
例えば、AD/HDの特性がある子どもたちは、注意力に課題があることが多いため、口頭で伝えられた指示を聞き漏らしてしまうことが多いかもしれない、あるいは自閉症の特性があると、他者視点にたってコミュニケーションを取ることが難しく、グループ活動に困難さが生じるかもしれないなどと、夢職人の活動場面と結びつけながら、発達障害の特徴について理解を深めていきました。
また、「大事な所が分かるように、マーカーで線をつけると分かりやすいかも!」「切り替えの苦手な子どもに対しては、予定を事前に伝えておくと心の準備ができそう」などと、現場でできる対応方法についても考えました。一見困った子どもの行動についても、どんな背景やきっかけがあるかをよく観察することで、アプローチの方法が見えてくると感じました。
後半は、子どもへの接し方についてロールプレイを交えて参加者が主体的に学ぶ、ワークショップ形式で行いました。一つ目は「肯定的フィードバック」を意識するワークです。
子どもとの信頼関係を築き自己肯定感を高めるためには、よい行動に目を向けてほめることがまずは大切です。どうしても活動のタイムスケジュールや子どもの止めさせたい行動が気になってしまう場面でも、できている部分やがんばろうとする姿勢に働きかけること意識し、練習をしました。子どもに視線を合わせたり、ボディーランゲージを使ったりと工夫しながら、ワークを行っていました。
二つ目のワークは、子どもへの「指示の出し方・情報の伝え方」を考えるワークです。子どもが正しく行動を理解し次の行動に移れるよう、どのように指示を出すと効果的かを考えます。端的に分かりやすく納得できる伝え方をすることで、子どものストレスも減り結果的によい行動を増やすことにつながります。こちらのワークでも、移動の場面やキャンプ中の場面など、具体的な状況を設定して、知恵を出し合いました。「まずは子どもが注目できるよう、しゃがんで話をする姿勢を作るといいかも」などと活発にアイデアが出されていました。
今回の研修では、子どもの視点に立った関わりについて、改めて考える機会となったかと思います。発達障害などの特性をもつ子どもが特別なのではなく、参加する全ての子どもにとって過ごしやすい環境や関わり方を考えることが、私たちスタッフには求められていると思います。今後も子どもと関わるスキルや引き出しを増やして日々の活動に還元できるよう、努めていきたいと思います。
(理事 あべちゃん)