2021/11/09
子どもや若者を対象とした社会教育活動に取り組んでいるNPO法人夢職人では、多種多様なバックグラウンドを持った大学生や社会人がボランティアスタッフとして多数在籍し、子ども達の多彩な体験活動を支えています。
スタッフは、先生や親とは異なる立場から子ども達と関わり、親しいお兄さん・お姉さんのような存在です。「another story-もう一つの社会との関わり方」では、そんなスタッフたちが活動をはじめた経緯や活動で感じたことなど、普段はあまり語ることなかった物語をお伝えします。
今回は、髙橋敬壱さん(たか)をインタビューしました。
ー 簡単に自己紹介をお願いします!
現在、大学3年生のたかです!大学では、心理学を専攻しています。高校2年生のときに夢職人に入会して、3年半経ちました。
ー 高校生の頃から!どういうきっかけで夢職人のスタッフになったんですか?
実は夢職人に入会する前に子どもと関わる活動を経験していて、もっと子どもと関わることがしたいと思ったのがきっかけでした。
高校2年生の夏。部活動をしておらず何かしたいなというのと、子どもが好きだったのもあり、学校の掲示板にあった地域のキャンプに思いきって応募したんです。その夏は、小学生とのキャンプや保育園の体験などに参加しました。特にキャンプでは、子どもと過ごす時間はもちろん、同年代のボランティアスタッフが多かったこともあり、2ヶ月前から研修や準備を手厚くサポートしてもらったのも印象に残っています!
これらの経験を経て、子ども、特に小学生との体験活動に継続的に携わりたい探していたところ、夢職人を知りました。
(ボランティアを通じて知り合った友人と一緒に出かけることも楽しみの一つ)
ー そこから夢職人にハマったきっかけは?
「あそびの達人」という日帰りの活動に初めて参加したときですね。
夢職人の活動にはいくつか種類があって、僕は入会してしばらくは「プレーパーク」という遊び場づくりの活動に参加しており、初のあそびの達人参加は、入会から3ヶ月ほど経った頃でした。
プレーパークと異なり、本番の1週間前にスタッフ同士での事前打ち合わせ会があるのですが、それがとてもインパクトがあって。企画の説明を受けたり、本番で子どもたちのために自分がすることを話し合ったり、こんなにも丁寧に準備するんだと驚きました。さらに、当時高校生だった僕にとってあのような場はとても新鮮で、社会に一歩踏み込んだ気がしましたね。
ー 3時間しっかり打ち合わせすること、たしかに高校生活でなかなかない機会ですね。
そうなんです。しかも企画の中心メンバーがみんなボランティアスタッフと聞いて驚きました。
真剣に取り組む・話し合うような雰囲気が、自分に合っていたんだと思います。思い返せば僕自身、小学生のときにクラスのみんなで何かに取り組むことが好きでした。中学生では部活動がありましたが、高校生になってそのような機会もなかったので新鮮だったんですかね。
子どもと一緒に体験活動ができることに加えて、しっかり準備したり次に向けて振り返ったり真剣に話せる文化があること・そんな人がいることも、夢職人の魅力ですよ。
ー 続ける上で雰囲気が合うかも大切ですよね。高校生から大学生になり、変化はありましたか?
もちろん、ありました!夢職人のスタッフとしてだと、大学1年生から子どものチームにつくスタッフとして活動できるんです。高校生の頃は全体を支えるスタッフとしての参加だったので、大袈裟かもしれませんが憧れが叶いましたね。
全体を支えるスタッフとして参加していた時に、いろんな先輩スタッフの子どもとのコミュニケーションの取り方をみていました。あの時はいつかくる日に備えて、先輩から吸収しようという気持ちが大きかったなあ。ほんとにたくさんのスタッフを見て学びました!
いざ、自分がその役割を任せてもらった、ある夏のキャンプ。今でもよく覚えています…
ー どんなことがあったのですか?
2泊3日、低学年の男の子チームと過ごしていたんです。キャンプ最終日の朝、子どもたちが大げんか…。これまでの小さな我慢が積み重なった結果、それぞれの気持ちが溢れたようでした。正直、すごく焦りました。そこに先輩スタッフがきて、子どもが抱えている気持ちを全部吐き出せるよう場を促してくれました。
チームで活動することに重きを置きすぎていたこと、子どもたちの小さなサインに気づけなかったこと、すごく反省しました。それからは、子ども一人ひとりの気持ちを気にかけるようになりました。そして、自分自身も楽しむこと。自分も含めて一人ひとりの感じたことを大事にしたいと思っています。
ー たかといえば子どもと一緒の目線で楽しむ姿が印象的。そのときの経験が糧になっているんですね。
そうですね、あの夏のキャンプで学んだことは僕の軸にもなっています。大学生になってからは、夢職人の活動以外でも子どもと関わることが増えました。学童でのアルバイト、他団体の体験活動や地域でのキャンプなどなど。
いろんな場を経験して思うのは、子ども関係での自分の考え方の根幹は、夢職人で学んだことだなということです。自分の中で軸や基準となるものがある上だと、発見や違いから得る気づきもありますね。夢職人とはまた違った新しい関わりがあるのも嬉しいところ。夢職人で活動の企画にも関わっていたから見えたものがあるのかもしれないです。
(どんな役割になった時も、子どもの気持ちに寄り添った対応を心がけている)
ー 夢職人での経験が基盤になり、そこから新しい発見をしていってるんですね。たかが初めて企画に携わったのはいつだったのですか?
最初に企画に携わったのは、大学1年生になってすぐでしたね。「プログラムを通して子どもにどんな経験をしてほしいか?」を考えることで、夢職人での子どもとの関わり面を学びました。「子どもが挑戦できるように大人ができるサポートは何か?」を考えることや、子どもにルールを伝えるときは理由を添えて話すことなどですね。
他にも、人に伝える力が鍛えられました。企画内容を伝えるためのプレゼンや文章力、話し方。先輩スタッフにもアドバイスもらいながら取り組めたことも大きいです。この力は、大学生活でもとてもためになってます。
あと、伝えることに関してはコアスタッフになってからより場数を踏みました。
ー 活動への参加、企画、コアスタッフと、どんどん夢職人に深く携わっていますね。
そうなんです。僕自身が高校生から入会していることもあり、コアスタッフになってからは、高校生スタッフと夢職人のことを話す機会が増えました。1つ、2つ年下のスタッフにも、高校生から活躍しているスタッフが何人もいるんです。考え方や行動力など、尊敬するところがたくさん。ほんとすごいです。刺激を受けています。
ー 年上年下関係なく尊敬できる関係、いいですね。
はい。そういえば自分の中では「年上だから」とか「年下だから」と考えることはほとんどないですね。それは子どもに対しても同じです。尊敬するところや、子どもから学ばせてもらうことがたくさんあります。子どもの感情の豊かさってすごいですよね。大人はどうしても感情を押し殺してしまいがちじゃないですか。子どもと接していると、自分の中にある感情にふと気づくこともあるんですよね。自分の感情に気づけると、他の大人と接するときにこの人はこんな気持ちなのかな?と気にすることも増えました。
ー キャンプでの子どもたちの気持ちのことにも通づることがありそうですね。それでは、最後にメッセージをお願いします!
学生、特に高校生へ。高校生だと「早いかな」「大学生になってからにしようかな」と思うこともあるかもしれません。でも、興味をもった瞬間から挑戦してみてほしいなと思います。早いことはありません!僕も高校生のとき入会していてよかったなと思います。ぜひ、待っています!
ー 高校生から活躍している「たか」ならではのメッセージ。ありがとうございました!
(インタビュアー はたちゃん)