2018/10/23
子どもや若者を対象とした社会教育活動に取り組んでいるNPO法人夢職人では、多種多様なバックグラウンドを持った大学生や社会人がボランティアスタッフとして多数在籍し、子ども達の多彩な体験活動を支えています。
スタッフは、先生や親とは異なる立場から子ども達と関わり、親しいお兄さん・お姉さんのような存在です。「another story-もう一つの社会との関わり方」では、そんなスタッフたちが活動をはじめた経緯や活動で感じたことなど、普段はあまり語ることなかった物語をお伝えします。
今回は、門倉麻莉さん(かどまり)をインタビューしました。
―では、簡単に自己紹介をお願いします!
門倉麻莉です。この4月から大学4年生になりました。大学では教育学を専攻していて、小学校の先生を目指しています。食べることが大好きで、焼き肉屋でアルバイトをしています。
―確かにかどまりは食べ物の話題が多い気がします(笑)趣味も食べることですか?
最近の趣味は、美味しい食べ物をオススメしてくれるアプリで検索して、それを友達と食べに行くことです。特に食べ放題が好きですね。最近行った食べ放題はスイーツビュッフェです。あと、2ヶ月に1回くらい旅行にいきます。最近は、韓国に行きました。
―とても充実していますね!では本題に入りますが、かどまりが小学校の先生になろうと思ったきっかけは何だったんですか?
小学生の時にとても辛いことがあって。その時、学校の先生がたくさん話を聞いてくれたり、交換ノートをして励ましてくれたりしたんです。それで、そんな先生みたいになりたいなって思って。あとは、小学校って6年間あってすごく長いじゃないですか。その期間の大きな成長に携わるって魅力的だなって。だから、小学校の免許が取れる大学に入りました。
―小学校の先生との出会いが大きかったのですね。かどまりは2年生の秋ごろに夢職人に入会したと思いますが、それまでは何かやっていましたか?
夢職人に入るまでは、塾でアルバイトをしていました。対象は高校生だったんですが、担当の生徒の進路相談にのったり、勉強計画を一緒に立てたりしていました。いわゆるチューターみたいな役割かな。あとは、広報用のブログを書いたり、保護者の方向けの説明会を開催したりと、運営にも携わっていました。
―運営もやっていたんですね。塾でアルバイトを始めたきっかけは何かあったのですか?
高校生の時からお世話になっていた塾だったというのもあるのですが、学校の先生になるために、教育に関わるアルバイトをして学びたいと思ったからです。アルバイトの経験を通して、生徒の考えを引き出す力が身に付いたなって思います。生徒が何に興味があるのか、進学して何をしたいのかを、一緒に寄り添って考えることを大事にしていました。
(友人との韓国旅行や大学の運動会での様子。友達とワイワイ過ごすのが大好き。)
―それってとても大事な力ですね。ちょっと疑問なのですが、なぜわざわざボランティアをしようと思ったんですか?学校の先生になるには、塾だけでもいいような気がしますが…
最初のきっかけは、大学の先生に「先生になるためにはボランティアに行っておくと良い」と言われたことです。それで、小学校での学習支援ボランティアと並行して始めました。小学校では、ティーチングアシスタントのような役割で授業に入って、少し遅れている子のサポートをしたり、丸つけなどの事務作業のお手伝いをしたりしています。あと、休み時間は全力で鬼ごっこをしています!(笑)
―かどまりらしいですね(笑)でも、学習支援ボランティアだけじゃなくて、夢職人もやってみようと思ったのはなぜですか?
単純に、学校では見られない子どもの一面を見てみたかったんです。同じ教育現場でも、夢職人のような場では全然違うんじゃないかなって。塾も学習支援ボランティアも共通しているのは「勉強」なので、それ以外で子どもと関わるのが、おもしろそうだと思ったんです。
―実際に夢職人に入ってみて、塾のアルバイトや学習支援ボランティアだけをやっていたらわからなかった視点ってありますか?
たくさんあるんですが、特に「その子自身を受け止める」という視点です。学校が30~40人の子どもに1人の先生なのに対して、夢職人は5~6人の子どもに1人のスタッフがついているので、丁寧な関わりができているんじゃないかなって。例えばケンカをしたとき、一人ひとりの話をゆっくり聞くことのできる環境なので、子どもたちが納得できるまで話し合えるんです。そうすると、普段は自分の思いを言葉にするのが難しい子が、ぽろっと言葉にしたりとかして。そういう一面って、学校ではあまり見られないんじゃないかなって。大人に対しての子どもの人数が少ないからできていることだと思います。
(一人ひとりの子どもの個性を大切にし、場面に応じた子どもとの距離感のとり方も上手。)
―実際の活動の中で、それを実感した具体的なエピソードはありますか?
キャンプで初めて班を担当した時に、苦手なことやわからないことを目の前にすると、固まって動かなくなってしまう子がいたんです。最初は、「どうしたの?何があったの?」と思っていました。でもその子をまずは受け止めて、どんなことを考えているのかをなんとなく想像しながら、落ち着いて接するようにしました。どのような接し方がいいのかわからず、こちらも試行錯誤しながらキャンプを終えたのですが、その子がまた次の活動に来てくれたのでとっても嬉しかったです。
―1人の子どもに対して試行錯誤しながら関われるって大事ですよね。答えはないけど、その分色々やってみることができるというか。
そうですね。塾のアルバイトでも一人ひとりに寄り添って接してきましたが、やはりどうしても勉強ありきなので、最終的な目的は進路を実現させてあげることだったんです。でも夢職人ではある意味ゴールがなくて、それがとっても新鮮でしたね。まさに、塾では経験できなかったことだと思います。
―では最後に、メッセージをお願いします!
塾のアルバイトは、特に教員志望の学生にとっては大切な経験の一つです。だけど私は、塾のアルバイトも、学習支援ボランティアも、夢職人のようなボランティアも、もちろん旅行や飲食店のバイトも、全部の経験がつながっていると思っています。時間がある学生時代のうちに、たくさんの引き出しを持てるよう、いろんなことに挑戦してほしいと思います。
―力強いメッセージですね!たくさんの引き出しを持った先生になれるよう、応援しています!
(インタビュアー こだちゃん)