2022/04/26
子どもや若者を対象とした社会教育活動に取り組んでいるNPO法人夢職人では、多種多様なバックグラウンドを持った大学生や社会人がボランティアスタッフとして多数在籍し、子ども達の多彩な体験活動を支えています。
スタッフは、先生や親とは異なる立場から子ども達と関わり、親しいお兄さん・お姉さんのような存在です。「another story-もう一つの社会との関わり方」では、そんなスタッフたちが活動をはじめた経緯や活動で感じたことなど、普段はあまり語ることなかった物語をお伝えします。
今回は、山崎玲さん(れいちゃん)をインタビューしました。
ーまず簡単に自己紹介をお願いします!
大学3年生のれいちゃんです。教育系の学部に所属していて、夢職人には3年ほど前に入会しました。
ー高校生のれいちゃんが入会してから3年も経つんですね。今の大学でしていることを詳しく聞かせてください!
今は、大学で小学校の教員になるための勉強をしています。細かく言うと教育学部ではありませんが、勉強する内容は、ほぼ一緒です!今は、幼稚園と小学校の免許を取るために、実習に行ったりしています。
所属している学部では、幼小どちらも免許が取れますが、将来は小学校の先生になりたいと思っています。入学当初は、どちらでもいいと思っていましたが、子どもの勉強をしていくうちに、「幼稚園の先生は私に向いていないかも」と思うようになりました。
ーなるほど、今は小学校の先生になるための準備をしているんですね!ちなみに、幼稚園の先生は向いてないと思った理由は何かあったのですか?
実は…手作りや工作に対する苦手意識なんです…。幼稚園や保育園では、パソコンを使わず、装飾品や手紙を手作りすることが多いと思うので、工作が大の苦手な私は向いていないなと感じました。イメージするのも苦手だし、作るのも手先が器用ではないので、とても難しいです。
折り紙の本を見たりして工程通りに作ることはできますが、それも時間がかかるし、やっててあまり楽しくはなくて…。そんなこと、と思われるかもしれないのですが、自分が楽しめないと子どもたちも楽しめないと思うので、もう一つの選択肢である小学校の先生を目指すようになりました。
ー確かにれいちゃんはよく工作苦手ってよく言ってますね。ちなみに、小学校の先生を目指すきっかけとなった人はいるんですか?
憧れと言えるほどではありませんが、1人います!
それは小学校5、6年生の時に担当していた先生なのですが、その先生は自分と性格が似ていて、社会で活躍している自分の姿がイメージしやすかったのかもしれません。あと、楽しそうな仕事でパッと思いついたのが「小学校の先生」だったので、やってみたいという気持ちは強かったと思います。
先生になろうと決めたのは私が高校2年生の頃で、中高一貫の学校だったため、進路の選択が他の学校よりも早かったです。私は色々な科目がある中で、どのテストもバランスよく点数を取ることができたので、文系理系どちらも選択することができました。
文理どちらでもよかったですが、暗記系の科目をするよりも、数学をやっている方が楽しいことと、1番は「リケジョ」と呼ばれたかったので理系を選択しました!(笑)
けど、いざ理系の進学先を探すと、あまり興味を惹かれるものがなくて、改めて自己分析をしたら、子どもと関わったり勉強を教えたりすることが好きだと分かったので、教員を目指そうと思いました。
ー高校2年生で将来について色々考えていたんですね!夢職人に入会した時期とも重なりますね。
もちろん、将来のこともありましたが、高2の冬で部活を引退することになり、それまですごく楽しくやっていたので、やることが一気になくなってしまいました。あと、大学の推薦をもらう時に、生活面であまり書いてもらう内容がなかったので、先生におすすめされたのもあって、ボランティアをやろうと思いました。
ネットで検索したら夢職人のホームページが出てきて、しっかり活動を行なっている団体だと思ったので、オリエンテーションにも参加しました。神奈川に住んでいて、家からは離れていたんですが、今でも1時間ほど電車に乗って、集合場所に行きます。活動がある日は、大体集合時間の1時間半前には家を出ますね。
(子どもたち一人ひとりの視点や個性を大切に関わっている)
ー自分も活動の集合場所から1時間ほど離れた場所に住んでいますが、早起きなど大変ですよね。それでも夢職人を続けている理由はなんですか?
ホームページを見つけた時に、「これはめっちゃ面白そう!」というワクワクがあって、強制的ではなく自分がこれをやりたいと感じていたから、継続して参加しているのだと思います。
しかもこの興味はずっと続いていて、一つ活動に参加すると「他の活動はどんな様子なんだろう」と新しい事もしてみたいという気持ちが大きくなります。ずっと新鮮な気持ちでいられるのも、継続している理由の一つだと思います。
私は周りから、「いろいろ考えて行動してる」「ちゃんとしてる」よく言われますが、割と自由気ままに生きているつもりです!夢職人もただただ楽しいから参加しているという感覚で、予定が空いているとき、気軽に参加しています。
ーそこから、たくさんの活動に関わってくれているんですね!
そうなんです。夏にやったベースキャンプという日帰りの活動では、バトミントンの企画をしたり、大の苦手である工作の企画にもチャレンジしました。最初は不安でしたが、「あそびの達人」に比べて規模が小さく、ベテランスタッフの方にもサポートやアドバイスをいただき、苦手分野ながら最後まで頑張りました。
自分が苦手な分、子どもが作れるかどうか考えながら進めることができたので、逆に良かったのかもしれませんね!その後も、 「あそびの達人」でプロジェクトをしたり、コアスタッフとしてボランティアスタッフの採用育成を担当したりしています。
ー確かに、れいちゃんは色々なことに挑戦しているイメージが強いです!夢職人以外でも挑戦していることはありますか?
最近だと学園祭の運営員会、塾講師のアルバイト、オンラインのインターンシップ、サークル活動をしています!今は活動の企画があるので、夢職人に時間を割いていますが、以前はサークルに力を入れていました。
私はテニスが大好きで、サークルでやっているテニスは部内戦があるなど、本格的に活動しています。以前はソフトテニスをしていましたが、今は硬式テニスをしています。打ち方も違うので、硬式の打ち方に矯正しようと苦労している最中です。
サークル内に絶対勝ちたい先輩がいるので、次の部内戦に向けて練習しています。テニスはやっぱり好きなので、技術を磨くためにやっているわけではないですが、どうせやるなら上手くなりたい気持ちが強いです。
(左:高校最後のソフトテニス部の試合、右:友達と富士急ハイランドに)
ー色々な所で活躍されているんですね!最後の質問なのですが、夢職人をやっていてよかったなと思う瞬間はありますか?
以前、小学校で行われた宿泊学習の引率アルバイトに行ったことがあるんですね。そのときに私は夢職人のキャンプへ行くような感覚で引率をしたのですが、関わり方のスタンスや雰囲気がいろいろ違いました。
一番に感じたのは、「子どもが選択できる幅の少なさ」です。例えば、工作をする時、小学校では作る方法や順番を、先生がほとんど指示していました。でも、夢職人のキャンプで行った時計作りで比較すると、針の取り付け方以外、ほとんど指定するものが無く、デザインなどは子どもたちが自由に取り組めました。もし、使えるペンの色や数字の書く順番を指定されたら、子どもたちはつまらないだろうなと思います。
「夢職人だったらこうするだろう」という思考が、「将来、先生になった時に自分はこうありたい」という未来の姿を考える場所になっているんじゃないかなと感じています!夢職人は、私にそのきっかけをくれる場所でもあります!
ーれいちゃんが理想の先生になれるよう、みんなで応援しています!意外な一面も知ることができて、面白かったです!ありがとうございました。
(インタビュアー たか)