インタビュー

位飼秀介:頼れる仲間がたくさんいるおかげで、心から子ども達との活動を楽しめる。

2018/11/07

子どもや若者を対象とした社会教育活動に取り組んでいるNPO法人夢職人では、多種多様なバックグラウンドを持った大学生や社会人がボランティアスタッフとして多数在籍し、子ども達の多彩な体験活動を支えています。

ボランティアスタッフの詳細

スタッフは、先生や親とは異なる立場から子ども達と関わり、親しいお兄さん・お姉さんのような存在です。「another story-もう一つの社会との関わり方」では、そんなスタッフたちが活動をはじめた経緯や活動で感じたことなど、普段はあまり語ることなかった物語をお伝えします。

今回は、位飼秀介さん(かいちゃん)をインタビューしました。

―初めに自己紹介をお願いします。

位飼秀介です。夢職人では、かいちゃんと呼ばれています。趣味は段ボール工作です。よろしくお願いします。社会人4年目で、印刷会社で主にweb広告の仕事をしています。細かく言うと自社制作のWebページの運用や品質管理で、校正などの業務をしています。

―子どもとは関わりのない職業ですが、どうして夢職人に入ろうと思ったのですか?

元々は地元の関西でプレーパークに参加していました。仕事でたまたま東京に来て、木場のプレーパークに参加した時に、協働で運営していた夢職人と知り合いまして。どのような活動なのか聞いて、「面白い!」と思って参加しました。

―プレーパークがきっかけだったのですね。ちなみに、いつからプレーパークに参加していたのですか?

学生時代からです。小学生の頃に夢職人みたいな活動に参加した経験がありまして、ボロボロになるくらい遊んでいたことがとても記憶に残っていたんです。そして、大学1年生の頃に、ふと今度は自分が子どもたちと一緒に遊びたいな、と思ったんですね。そんな時、友達のお母さんが地元でプレーパークを立ち上げたと聞いて、たまたま誘われたんですよ。「小学生の頃にやっていたようなことができるから」と誘われて、見学に行ったら…そこからなぜか、毎週行く羽目になりました(笑)


(地元の関西でのプレーパークの様子。得意の工作を活かして子どもたちと遊んでいる。)

―うまく巻き込まれましたね(笑)実際に参加してみてどうでしたか?

「言われたら行くしかない!」と思って、繰り返し参加したのですが、思った以上に子どもと喋れなくて、接することも出来なくて、毎回反省ばかり…どうすればいいか分かりませんでした。行ってみたら、「子どもが苦手」であることに、初めて気が付いたんです。

―今のかいちゃんからは想像できないですね。「苦手だなあ」と感じながらも、どうして続けようと思ったのですか?

どうして子どものことを苦手と感じてしまうのか、積極的に関わっていくことができないのか、その理由をとことん探してみようと思って参加していました。ただ「苦手だなあ」と消極的になるのは悔しかったので、自分なりにできることって何だろう?と考えもしましたね。自分は工作が得意なので、それを活かして関わることを始めたんです。最終的には子どもがのびのびと遊んでいる姿が大好きになり、10年も続けていました。今でも実家に帰ったら必ず顔を出します。

―いろんな葛藤があったのですね。夢職人の活動に出てみて、最初はどう思いましたか?

1日のスケジュールが決まっているので、活動の当日は時間に追われる印象をもちましたが、しっかりしている団体なのだな、ということは感じました。その中で、子どもと1対1で関わったことはおもしろかったです。プレーパークとは違い、班単位での活動になるので、同じ子どもと1日深く関わることが、とても新鮮に感じました。あとは、他のスタッフが子どもと向き合いながら楽しく活動している姿がかっこよく見えて、「すごい団体だ!」と思いました。

―これまでの活動の中で、一番思い出に残っているのはどのような活動ですか?

どれもこれも残っていますが、悔しい思い出の方が多いです!以前、日帰りプログラムで秘密基地を作ったのですが、子ども達にいろんなことをゆだねすぎて、子ども達の気持ちがバラバラになってしまったことがありました。どうしてこんなに楽しそうな顔をしてないんだろう?どのように言葉をかければいいんだろう?ということが、全くわかりませんでした。

―それは悔しい経験ですね。そうなってしまった理由や原因って何かあったのですか?

その時は自分に余裕がなく、遊び心もありませんでした。先生っぽいやり方をしてしまい、子どもとの距離感をつかめなくなっていました。今でもそのことを考えると夢にでてきます…。子どもとどのような距離感で話したり、遊んだりすればいいのか。目標としている所に近づいていくにはどうしたらいいのか、ということを、改めて考えさせられました。プレーパークとは違う経験で、反省はありましたが、得るものがとてもありました。


(子ども達からも親しみやすいかいちゃん。一人ひとりの個性に沿った関わり方を大切にしている。)

―自分自身の中で、変わったことや成長したことはありますか?

子どもをほめるようになりました。どのようにほめたり、声をかけたら、子どもたちは嬉しいのか、できないことができるようになるのか、ということを考えながら、毎回活動に参加しています。実家に帰った時に地元のプレーパークに顔を出したのですが、スタッフに対してほめ方などの指導ができるようになりました。子どもと深く関わることで子どもの気持ちが分かるようになったことは大きいです。

―ステキですね!子どもとの距離感もうまくつかめるようになったのですか?

子どもと同じ目線で遊ぶことができるようになりました。同じように遊んだり、怒ったり、そのことで子ども達からふざけて関わってくれるようになってくれました。活動を始めた頃はよく堅いと言われていたので(笑)このように子どもと関わることができるようになったのも、他のスタッフのおかげです。頼れる存在が夢職人にはたくさんいて、みんなのおかげで心から活動を楽しめるようになりました。

―今後はどのように子どもと接していきたいですか?

子ども達のやる気や意欲を高めていけるような存在になりたいです。ほめたり、叱ったり、メリハリをもって関わりながら意欲を引き出していきたいし、「かいちゃんといると楽しい!」と言われて活動をしたいです。また、子ども達が、自分が思っていることを素直に言えるような存在でありたいです。「夢職人の活動に行けば、かいちゃんがいる」と思って子どもたちが来てくれたら、とても嬉しいなと思いますね。

―かいちゃんのことが大好きな子どもたちは、今すでにいるはずですね。これからもたくさん活動に参加してくださいね。ありがとうございました。

(インタビュアー ひーくん)

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保護者の声

親としては子どもが自分の身の回りのことをちゃんとできるか心配しましたが、特に問題もなく本人が楽しく参加できたようなので本当によかったです。
親が離れると不安を感じるタイプだったので、それをクリアさせたいと思い参加しました。最初はかなり緊張した様子でしたが、何回か参加するうちに知っている顔も増え、慣れたようです。
キャンプから帰ってくると、スタッフからキャンプ中の子どもの様子を報告してもらえるのもとても良いと思います。安心して預けています。
キャンプの前に面談があるので、子どものアレルギーのことなどを事前に伝えておくことができたのもよかった。継続して参加していると、昨年できなかったことが今年できるようになったなど成長を感じられます。
スタッフの方から連絡帳で、班長の役目をきちんと務めたことを教えてもらえたのはよかったです。将来大きくなって、今度はスタッフとして関われるようになったら素敵だなと思います。
何度も参加したりして人と人とのつながりができるのが魅力的。何でも不安になりがちな子だったが、一度参加して以来、積極的に次の参加もしたがり、一皮むけた感じがしました。

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