インタビュー

篠原明恵:長くがっつり打ち込めるボランティア。何度も繰り返し挑戦できる。

2018/03/28

子どもや若者を対象とした社会教育活動に取り組んでいるNPO法人夢職人では、多種多様なバックグラウンドを持った大学生や社会人がボランティアスタッフとして多数在籍し、子ども達の多彩な体験活動を支えています。

ボランティアスタッフの詳細

スタッフは、先生や親とは異なる立場から子ども達と関わり、親しいお兄さん・お姉さんのような存在です。「another story-もう一つの社会との関わり方」では、そんなスタッフたちが活動をはじめた経緯や活動で感じたことなど、普段はあまり語ることなかった物語をお伝えします。

今回は、篠原明恵さん(こしの)をインタビューしました。

―まず、自己紹介をお願いします。

篠原明恵です。夢職人では「こしの」というあだ名で、子どもやスタッフから呼ばれています。文学部社会学科に所属していましたが、3月に卒業し、4月から社会人になります。大学では社会福祉といって、介護や医療保険などの、社会保障の仕組みについて学びました。

―何だか難しそうですね…。一見、夢職人とあまり関連がないような気がするのですが、夢職人に申し込んだきっかけは何だったのでしょうか?

きっかけは学校で、「1週間くらい大学外でボランティアをやってこい」という課題が出たことでした。ボランティアをやって、日誌を提出しないといけなかったんです。そこで大学外のボランティアを探したところ、夢職人を見つけました。

―なるほど、課題がきっかけだったのですね。大学外にも数多くのボランティア団体があると思うのですが、なぜ、夢職人だったんですか?

ちょうどその時、いろんな人と関わることができ、長くがっつり打ち込めるものを探していたからです。私は大学入学を機に、長野から東京へ上京してきました。せっかく東京に来たんだし、色々な人と繋がりを持ちたいと思っていたんです。また、大学入学までは吹奏楽に打ち込んでいたのですが、大学に入りたいと思えるサークルがありませんでした。大学でも本気で打ち込めるものを探していたところで大学の課題をもらったので、どうせなら単発で終わるようなボランティアではなく、「長くがっつり打ち込めるボランティアをやりたい!」と思いました。それが夢職人とマッチしていたのかなと思います。

―ちなみに、なぜ、子どもと関わるボランティアを選んだんですか?

小さい頃にやっていた、「子ども劇場」という活動が、夢職人に似ていたからです。子ども劇場というのは、野外活動や観劇などをやっている子どもサークルです。それがすごく楽しかった、という経験もあって、子ども関係のボランティアを探しました。実際に、夢職人のホームページや体験参加の時に、「似ているな!」という実感もあり、親近感もわきました。


(学校や夢職人の活動のない日は、友達と映画館や美術館、テーマパークへ遊びに行きます)

―実際に夢職人に入ってみて、「これは自分の求めていたボランティアだ!」という感覚はありましたか?

ありました!スタッフとして活動する中で感じたのは、「ここまで本気で向き合っているボランティアってないだろうな」ということですね。夢職人では、子どもとの活動の後に、活動の振り返りを行う「事後会」という場を設けています。ここで、スタッフ同士がその日の活動について真剣に議論する場面を見て、自分もそういう議論をできるくらい本気で向き合ってみたい、と思ったんです。

―こしの自身もこれまで、コアスタッフという団体の運営メンバーとしても活動してきて、まさしく「本気でがっつり打ち込んできた」と言えると思います。そんな中で、夢職人だからこそできたこと、ってありますか?

夢職人だからこそ、「腹を括る」ことが出来たなあと思っています。他のボランティアやバイトだと、ここまで腹を括ることはなかったんじゃないかな、というくらい(笑)例えば、1日限りのボランティアだと、子どもとの関わり等を省みて、改善してもう1回挑戦する機会ってないですよね。1日限りだと、たった1日で団体とも、子どもとも縁が切れてしまう感覚があると思うんです。夢職人は1日限りではない、継続的なボランティアなので、子どもともスタッフとも付き合いが続きます。子どもとの関わりや、企画においても、一度失敗した場面と似たような場面に出会うこともたびたびあります。だからこそ、失敗したことやできなかったことに、次があるから向き合わなきゃいけない、という意識を持ち、腹を括って改善に取り組むことができました。

―実際にこしのが、失敗に向き合って改善できた、自身の変化を感じられた、という場面はありましたか?

2年前に、日帰りの活動である「あそびの達人」を企画するプロジェクトチームのリーダーを務めたことがありました。その時には、メンバーの意見が拾えなかったり、決裁者との橋渡しがうまくいかなかったり、行き詰まった時に話を整理できなかったり…といった失敗があったんです。しかし、その後も3回プロジェクトチームのリーダーを務めてきて、人の話を聞くポイントや会話の進め方、例えば、案が出ない時どういう手順を踏むか、といったところを改善することができたんじゃないかなと思います。


(男の子からも女の子からも親しまれ、それぞれの子どもに適したサポートを心がけている)

―こしのが失敗にしっかりと向き合ってきた証ですね!この経験は、これから社会人になってからでも活きてきそうですね。

そうですね。私はこの4月から相談職の仕事に就いて働きます。相談職は、人の話を聞くことが仕事です。経済状況や病状等、人に触れられたくない部分を踏み込んで改善するすべを提案していくので、相手がどう思っているか、どうしていきたいか、どこを問題だと思っているかなど、夢職人で培った相手の意見を聞き取る力が活かされてくるのではないかと思っています。

また、相談職は「相手の気持ちに共感し、受容しましょう」とよく言われます。夢職人には、高校生から社会人まで様々なボランティアスタッフが在籍しているため、いろんな価値観に触れることができました。「こういう考え方もあるんだな」という驚きもありましたし、相手の背景を考える幅を広げることが出来ました。これは、大学のサークルや学生だけの団体ではできなかったと思います。

―今後は、夢職人にどのように関わっていきたいですか?

もちろん、これからも継続して関わっていきたいなと思っています!プライベートで刺激をもらえる場ってあまりないと思っています。会社と家の往復だと、「これじゃだめだ」と思うタイミングって少なくなるんじゃないか、と感じるんです。社会人になって自分の価値観も様々に変化していく中で、夢職人の活動にも引き続き参加して、刺激をもらえたらと思っています。子どもとの関わりも、企画も、楽しみですね!

―ライフステージが変わっても、夢職人のスタッフとして関わってほしいです!こしの、ありがとうございました!

(インタビュアー かまちゃん)

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保護者の声

親としては子どもが自分の身の回りのことをちゃんとできるか心配しましたが、特に問題もなく本人が楽しく参加できたようなので本当によかったです。
親が離れると不安を感じるタイプだったので、それをクリアさせたいと思い参加しました。最初はかなり緊張した様子でしたが、何回か参加するうちに知っている顔も増え、慣れたようです。
キャンプから帰ってくると、スタッフからキャンプ中の子どもの様子を報告してもらえるのもとても良いと思います。安心して預けています。
キャンプの前に面談があるので、子どものアレルギーのことなどを事前に伝えておくことができたのもよかった。継続して参加していると、昨年できなかったことが今年できるようになったなど成長を感じられます。
スタッフの方から連絡帳で、班長の役目をきちんと務めたことを教えてもらえたのはよかったです。将来大きくなって、今度はスタッフとして関われるようになったら素敵だなと思います。
何度も参加したりして人と人とのつながりができるのが魅力的。何でも不安になりがちな子だったが、一度参加して以来、積極的に次の参加もしたがり、一皮むけた感じがしました。

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