インタビュー

畑美里:子どもの活動を仲間と一緒に企画し、自分の知らない観点を学べる楽しさ

2019/06/18

子どもや若者を対象とした社会教育活動に取り組んでいるNPO法人夢職人では、多種多様なバックグラウンドを持った大学生や社会人がボランティアスタッフとして多数在籍し、子ども達の多彩な体験活動を支えています。

ボランティアスタッフの詳細

スタッフは、先生や親とは異なる立場から子ども達と関わり、親しいお兄さん・お姉さんのような存在です。「another story-もう一つの社会との関わり方」では、そんなスタッフたちが活動をはじめた経緯や活動で感じたことなど、普段はあまり語ることなかった物語をお伝えします。

今回は、畑美里さん(はたちゃん)をインタビューしました。

ーまずは自己紹介をお願いします。

夢職人でコアスタッフをしています、畑美里です。「はたちゃん」というあだ名で呼ばれています。現在、社会人3年目で、仕事はシステムエンジニアです。「独自に何かを作る」というよりは、世の中にある様々なIT製品を組み合わせてお客様に合った環境をご提示するような部署にいます。中でも、働き方改革関連でTV会議やコミュニケーションツールを担当しています。最近は、プログラミングにも挑戦中です。

ーなんだかすごい仕事をしてますね!はたちゃんが夢職人に入ったきっかけはなんですか?

社会人2年目になり、仕事にも余裕が出てきたところで「なにかやりたいな~!」と思い、始めました。初めは、企画という軸で探していました。というのも、大学時代に企画をする機会があったのですが、その時の経験がとても楽しく、多くの学びがありまして。それで夢職人を見つけたのですが、活動内容を知るうちに、私も小学生の頃に似たような自然のキャンプに参加したことを思い出たんですね。「これが!」というわけではないですが、「楽しかったなあ~!」ということを思い出し、あの時のお姉さんの立場になってみたいなと思い、夢職人に入会しました。

ーなるほど、2つきっかけがあったのですね!ちなみに、大学時代のイベント企画はどんなことをしていたのですか?

発展途上国への教育支援をしていました。「勉強したいと願うすべての子どもたちが勉強できる世界に」を掲げ、大学関連の不要な本などもらい、半額で再販し、そのお金を途上国に寄付をすることをしていました。イベントの企画で大学生からどうやって教科書を寄付してもらえるかなど、考えながら企画を進めていました。


(学生時代から企画に関わることが多かった。休日の友人とのお出かけも楽しみの一つ)

ー興味深い活動ですね!夢職人でも活動の企画をするチームに携わっていたと思いますが、学生時代との違いは何かありましたか?

大学生の頃は、自分と同じ学生から「教科書を寄付してもらうにはどうすればいいか?」「教科書を購入してもらうにはどうすればいいか?」をメインに考えて行っていました。なので企画の目的が明確な上、身近な人が対象でした。夢職人においての企画は、目的も広く、対象である子どもも私にとっては身近な存在ではありませんでした。子ども達にとって「何が楽しいのか?」「どういうところが魅力的か?」そこからスタートするところが違いました。それが自分にとって新鮮で、良かったのですけどね。

ーそのような違いがあるのですね!はたちゃんは2回も企画メンバーに加わっていますが、なぜ、再度やってみようと思ったのですか?

単純に「またやりたい!」と思ったからです。初めて企画に関わった時、想像していた以上に子どものことを考えて作られていることを実感しました。班を担当するスタッフの時と、企画を考える時では、考えることが違うな。「思わぬところで子ども達に楽しんでもらえるんだ!」と知ったこともありました。あとは、自分で考えたことが本当に実施されることがとても嬉しかったですね。さらに、参加してくれた子ども達が笑顔だったことや、他のスタッフからアドバイスをもらえることがとてもよかったです。初めての企画運営から色々と知り得たことで、「またやりたい!」とシンプルに思ったんですよね。

ーはたちゃんは学ぶことが好きなのですね。はたちゃんが思う企画の楽しさとはなんですか?

自分の知らない観点を得られることが楽しさになっています。初めて企画に携わった時、私の中では子どもという存在が身近ではなかったので、「子どもにとってどのような学びや経験の要素があるといいのか?」などについて考えることが、特に難しかったです。でも、一緒に企画を担当したメンバーの中に経験豊富なスタッフがいて、自分の知らない観点をいろいろと教えてくれました。


(活動の現場でも企画でも子どもたち一人ひとりの発想や意見を大切に活動している)

ー視点が増えるというのは自分にとっても学びですよね。その他に感じた楽しさはありますか?

2つのプロジェクトを経験しましたが、1つ目は科学実験、2つ目は野外料理だったので、考えることやプログラムの内容が全く違うことに驚きました。科学実験の時はメンバー一人ひとりで担当が分かれていたので、一人一つのプログラムを考えて行うことが楽しかったです。野外料理の時はピザ作りだったのですが、一つの企画をみんなで考えることもとても楽しかったです。試作会の時など、様々な人の意見をもらえることが、学びにもなりました。

ー実際に企画を実施してみて、印象に残ったことはありますか?

科学実験のプログラムで、子どもたちに空気砲について話をする場面があったのですが、「もっと身近なことに例えて説明ができたらよかったな…」と思いました。科学原理を理解することが目的ではないことは頭にありつつ、子どもたちが家に帰った際に、興味や好奇心に繋がるような話の仕方ができればよかったなあと。ピザ作りの企画の時は、子どもたちが大人の予想をはるかに超えた、個性あふれるピザを作っていたことですかね(笑)

ー今後はどのように夢職人に関わっていきたいと思っていますか?

もっともっと、子どもと関わっていきたいです。自信をもって、子どもたちと一緒に活動そのものを楽しめるようになりたいですし、みんなが楽しく、かつ学びのあるるような企画を、他のスタッフとも協力しながら作りたいと思っています。自分が楽しいと思っていることや大事にしたいと思っていることが他のスタッフにも伝わり、そして、最終的には子どもたちにも伝わるようにしていきたいです。

ー自分自身がまずワクワクすることって大事ですよね。はたちゃん、貴重なお話をありがとうございました!

(インタビュアー ひーくん)

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保護者の声

親としては子どもが自分の身の回りのことをちゃんとできるか心配しましたが、特に問題もなく本人が楽しく参加できたようなので本当によかったです。
親が離れると不安を感じるタイプだったので、それをクリアさせたいと思い参加しました。最初はかなり緊張した様子でしたが、何回か参加するうちに知っている顔も増え、慣れたようです。
キャンプから帰ってくると、スタッフからキャンプ中の子どもの様子を報告してもらえるのもとても良いと思います。安心して預けています。
キャンプの前に面談があるので、子どものアレルギーのことなどを事前に伝えておくことができたのもよかった。継続して参加していると、昨年できなかったことが今年できるようになったなど成長を感じられます。
スタッフの方から連絡帳で、班長の役目をきちんと務めたことを教えてもらえたのはよかったです。将来大きくなって、今度はスタッフとして関われるようになったら素敵だなと思います。
何度も参加したりして人と人とのつながりができるのが魅力的。何でも不安になりがちな子だったが、一度参加して以来、積極的に次の参加もしたがり、一皮むけた感じがしました。

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